秋冬トレンドカラーの深緑。色のイメージと取り入れ方は?

2017.10.01 (日)

緑系の色でも、色みや明るさによってイメージが変わります。

 

 

10月に入りました。
だんだん気温も下がってきて「秋らしい装い」が楽しめる季節になってきましたね。

 

今年の秋冬のトレンドカラーの中に「深緑」があります。

 

最近、百貨店やセレクトショップを覗いていると、目につくのは
・毎年秋に多くなる、パープル(紫)・バイオレット(青紫)・ワインレッド(濃い紫みの赤)など、紫系・赤紫系の色
・マスタード(からし)色
・そして、今年は特に「濃い緑色」のディスプレイ

 

「濃い・深い緑」、また「暗い緑」といってもさまざまな色みがありますが
とくに「深緑」と呼べる色が多く見られます。

 

 

(上の色見本の写真は『色の名前 507 日本の色と外国の色』福田邦夫著 主婦の友社 のページを写したもの)

 

濁りが無く、濃い、暗めの緑色。
ほんの少し「青み」を感じさせるような、マイルドというよりは、少しシャープな色
パーソナルカラー分類では、「 WINTER(冬)」のグループに入る色みのものが多いようです。

 

ここで、わかりやすい「緑の色みと印象」の話を少しお伝えします。

 

先日9月25日、小池百合子都知事が国政新党「希望の党」を立ち上げ
自らが代表に就任することを表明しましたが、小池氏のイメージカラーは「緑」
会見で掲げたボードに書かれた「希望の党」という新党の名前も「緑」の文字。
スカーフもオリーブ地に「深緑」の柄でした。

 

そして、トレンドを意識した訳ではないと思いますが
会見での小池都知事のスーツは、光沢のある「深緑色」でした。
「シャープな感じ」で、かつ「落ち着いて」見えましたね。

 

その後、10月1日の「都民ファーストの会」総決起大会で
小池氏は「黄緑色」のジャケットを着用していました。
印象を比べると、「深緑色」を着用していたときよりも「黄緑色」を着用していた時の方が
「柔らかい印象・明るい印象」になっていたと思います。

 

同じ「緑系の色」でも、色みや明るさ・暗さによって、印象は大きく変わるのです。

 

今日は、さまざまな「緑」が周囲に与える印象と、パーソナルカラー(似合う色)の視点から「緑色の取り入れ方」の話です。

 

緑系の色にもさまざまな色みがあります。

 

 

緑系の色といっても、さまざまな色みがありますね。

 

・色相(色みの性質)の違い:「黄緑」「緑」「青緑」や、それぞれの中間の色
・明度(明るさの度合い)の違い:「明るい緑」「中くらいの明るさの緑」「暗い緑」
・彩度(鮮やかさの度合い)違い:「鮮やかな緑」「薄い緑」など
・清濁の違い:「クリアな(澄んだ)緑」「濁りのある、グレイッシュな緑」
など。

 

どの色に惹かれるかで、心理状態も異なります。
どの色を着用するかで、周囲の人に与える印象も変わります。
どの色を顔の側に持ってくるかで、顔映りも異なります。

 

「色彩心理」の視点からの「緑」の話は、以下のコラムで詳しくお伝えしています。
宜しければ読んでみてくださいね。

 

今日のコラムでは
着用した時「周囲の人に与える色彩の印象」と、顔映りなど「パーソナルカラー」の視点からお伝えしていきます。

 

色みの違い。緑・黄緑・青緑

 

 

■ まずが与える印象です。

 

「緑」の持つ一般的なイメージの中で、ポジティブなものには
「自然・安らぎ・平和・バランス・安全・落ち着き・新鮮・生命力」
などがあります。
「中立」などもあります。
少しネガティブな側面では「保守的・心身の消耗」などがあります。

 

「緑系の色」を身につけていると、一般的には
「穏やかな人・バランスの取れた人」「自己主張しない人」という印象を与えます。

 

ただし、「鮮やかな緑」を身につけた場合
とくに、光沢のある「鮮やかな緑」
緑の持つ「生命力」のイメージを強める感じになり「強さ」も感じさせる色になります。
「鮮やかな緑色の服を着ている人」というのは、案外、身近に少ないかもしれませんね。

 

「緑の色そのもの」の印象には「平和・穏やか・バランス」「中立」などがあり
主張しないイメージを持たれることが多い
です。

 

でも、あまり周囲に多くは見られない「鮮やかな緑の洋服」を着ていると
かえって目立つこともある
のです。

 

また、服は、色以外に
光沢、素材感(リッチな感じ・フォーマルな感じ・カジュアルな感じ)、形の印象など
さまざまな要素も合わせて考える必要があります。

 

黄緑はどうでしょう?

 

「黄緑」は、新緑、若葉の色です。
光に向かって「これから伸びていくエネルギー」を感じさせる色。
「黄」と「緑」の中間にある色でもありますね。

 

「黄緑」の持つ一般的なイメージで、ポジティブなものには
「フレッシュ・若々しい・さわやか・希望・向上心・柔軟・やすらぎ・リラックス」などがあります。
また、心身が疲れている時に
「心身の安らぎやバランス・リフレッシュ」を求めて、惹かれることもあります。

 

「黄緑」を身につけていると
「若々しい・希望がある・明るい」「優しい」という印象を与えます。
「色」の要素だけで見た場合に、「黄緑」は好印象を持たれることも多いですね。
とくに「濁りを感じさせない、グレイッシュではない黄緑」は「希望」「フレッシュなイメージ」を持たれやすいです。

 

青緑はどうでしょう?

 

青と緑の中間にある「青緑」
緑のイメージに、青のイメージが足された色でもあります。
緑の「平和・バランス・穏やかさ」「生命力」
青の「自由・自立・冷静・知性」「抑制」などが加わった色ともいえます。

 

「青緑」の持つ一般的なイメージには
「自由・自分のペース・のびやかさ・解放感・楽しむ・独立心・芸術的」などがあります。
また、「自分のペースが乱れてしまい、ペースを取り戻したい時」「疲れていて、少しお休みしたい時」
にこの色に惹かれることもあります。

 

「青緑」を身につけると、緑の「平和」「生命力」に、青の「自立・自由・冷静」などが加わり
「自分のペースを大切にしている・自立して楽しんでいる人」という印象
を与えます。

 

緑、黄緑、青緑。

 

あなたは、どの色のイメージで自己表現したいですか?

 

明るい緑・暗い緑のイメージは?

 

 

 

同じ色相(色みの性質)でも、「明度(明るさの度合い)」によってイメージは変わります

 

色の明るさ・暗さは、見た目の「軽さ・重さの印象」につながります。
明るい色は「軽そうに」見え、暗い色は「重そうに」見えます。

 

また、色の明るさ・暗さは、見た目の「軟らかさ・硬さの印象」につながります。
明るい色は「軟らかそうに」見え、暗い色は「硬そうに」見えます。

 

暗い色は、その「重み」のイメージとかさなり、一般的には
「充実感・安定感・成熟・落ち着き・蓄積・伝統」などのイメージとつながります。
また、暗い色は「硬さ」につながるので、「硬さ」から「固さ」「丈夫さ」にもつながりやすいです。

 

暗い色の少しネガティブなイメージとしては、「ストレス・抑圧」「保守的」などもあります。

 

明るい色は、その「軽さ」のイメージともかさなり、一般的には
「解放感・軽やかさ・幸福感」などのイメージとつながることが多いです。
また、「軟らかさ」から「柔らかさ」のイメージとつながりやすいです。

 

とくに、ごく明るい色、薄い・淡い色は「優しさ」のイメージとつながるのですが
心理としては、同時に「解放されたい気持ち」「現実から逃避したい気持ち」
「誰かに頼りたい気持ち」から惹かれることもあります。

 

「バランス・平和・生命力」を表しやすい「緑」が明るくなった場合には
「健康・リフレッシュ・リラックス」などのイメージとつながりやすいです。

 

そして、「緑」が暗くなると、「成熟・安定感」につながることもあります。
また、「心身の不調」などとつながる場合もあります。

 

明るい緑、暗い緑。
あなたは最近、どちらの色みが、自分らしい感じがしますか?

 

鮮やかな色・濁った色の印象は?

 

 

水彩絵具を思い浮かべたとき。
「白」を混ぜると明るい色になり、「黒」を混ぜると暗い色になります。
そして、「グレイ」を混ぜると「濁りのある色」になります。

 

「鮮やかな色」は「いきいきとしたイメージ、強さ」につながりやすいです。

 

「グレイの混ざった濁りのある色、ニュアンスのあるに色」には
「ニュートラル、穏やかな感じ」のイメージがあります。
マイナス面では「不完全燃焼、疲れた感じ」のイメージにつながることもあります。

 

あなたは「強いイメージ」をつくりたいですか?
「穏やかなイメージ」をつくりたいですか?

 

緑色について、顔映りの視点から。

 

 

次に、「緑系の色」について、パーソナルカラー(肌映りの良い色、似合う色)の視点からお話します。

 

「パーソナルカラー」は、
「肌・目・髪の色など、あなた自身の色」と調和し、美しさや好印象を導き出してくれる「色のグループ」
場面によって、自分のつくりたいイメージに演出してくれる色でもあります。

 

主に
「色相(色み)」たとえば、赤でも、黄み寄りの朱赤か、青み寄りのローズレッドか、等。
「明度(明るさ)の度合い」
「清濁(澄んだ色か、グレイの混ざった色か)」
「彩度(鮮やかさ)の度合い」
「色の属性」をキーに色を見ていきます。

 

「赤の中でもあなたの魅力を引き出してくれる赤」
「青の中でも、あなたを美しく演出してくれる青」
「ピンクの中でも、あなたの肌の色が一番キレイに見えるピンク」など、
似合う色の傾向(属性)を見つけ、似合う色のグループを選んでいくものです。

 

そして「緑」の中でも、自分の肌の色を美しくみせる、顔映りの良い「緑系の色」を見つけることができるのです。

 

「顔映りを考えて色を見る時」のポイントは、

 

A)イエローベース(黄み寄り)か、ブルーベース(青み寄り)か?
B)濁りのないクリアな色か、グレイの混ざったニュアンスのある色か?
C)明るい色か、暗い色か?

です。

 

パーソナルカラーにおける「色のグループ」は、「春・夏・秋・冬」に分ける方法が、最も多く取り入れられていますね。

 

・SPRING(春)のグループは、「イエローベース」「清色(クリアな色)」「高明度~中明度(明るい色から中くらいの明るさの色)」が多い。

 

・AUTUMN(秋)のグループは「イエローベース」「濁色(濁りのある色)」「中明度~低明度(中くらいの明るさから暗い色)」が多い。

 

・WINTER(冬)のグループは「ブルーベース」「清色(クリアな色)」「高明度・低明度(ごく明るい、または暗い色)」が多い。

 

・SUMMER(夏)のグループは「ブルーベース」「濁色(濁りのある色)」「高明度~中明度(明るい色から中くらいの明るさの色)」が多い。

 

という特徴があります。

 

色は、単一で見ると特徴が分かりにくいですが、比べて見ると分かりやすくなります。

 

下添付写真、サンプルのカラーカードをご参照くださいね。

 

色相(色みの性質)の違い

 

向かって左:イエローベース・清色(春)
向かって右:ブルーベース・清色(冬・夏)

 

明度(明るさの度合い)の違い

 

向かって左:ブルーベース・清色・中明度(冬・夏)
向かって右:ブルーベース・清色・低明度(冬)

 

清色・濁色と明度の違い(イエローベース)

 

向かって左:イエローベース・清色・中明度(春)
向かって右:イエローベース・濁色・低明度(秋)

 

清濁と明度の違い(ブルーベース)

 

向かって左上:ブルーベース・清色・中明度(冬・夏)
向かって左下:ブルーベース・清色・低明度(冬)

向かって右上:ブルーベース・濁色・中明度(夏)
向かって右下:ブルーベース・濁色・低明度(夏)

 

 

(上の色見本写真4枚はすべて『The・パーソナルカラー』トミヤママチコ著 の「テストカラー集」を写したもの)

 

顔の近くにあてたときの、顔の見え方は、以下の通りです。

 

■ イエローベースの色
・似合う方は、肌にツヤを感じさせ、健康的に見せます。
・似合わない方は、肌が黄色く、くすんで見えたりします。

 

■ ブルーベースの色
・似合う方は、肌の色が白くキレイに、爽やかに見えます。
・似合わないと、顔がグレイッシュに見えたり、淋しく見えたりします。

 

■ 清色(濁りのないクリアな色)
・似合う場合は、肌を艶やかでハリのある感じにします。
・似合わない場合は、肌に色ムラを感じたり、色だけが目立ち過ぎたりします。

 

■ 濁色(濁りのある、グレイの混ざった色)
・似合う場合は、肌をなめらかに見せ、ソフトな印象になります。
・似合わない場合は、肌をくすませ、ぼんやりとした、疲れた印象に見せたりします。

 

■ 明るい色
肌にも明るさが映ります。
柔らかい印象になりやすいです。(真っ白以外)
・似合う場合には、顔が明るく、肌の色が均一に見えます。
・似合わないと、膨張したり、ぼんやりとして見えることがあります。

 

■ 暗い色
固い印象になりやすいです。(特に、青系の色の場合)
・似合う場合は、輪郭をシャープに、立体的に見せます。
・似合わない場合は、しわや影を目立たせたり、険しい感じになったりします。

 

この秋によく見かける「深緑」色は
・ブルーベース寄り
・濁りのないクリアな色
・暗めの色
ですが、上記の顔映りの特徴を参考に
ご自身にあったタイプの「濃い緑」を選ぶと良いと思います。

 

また、「色の持つイメージ」には、必ず「ポジティブな側面」と「ネガティブな側面」がありますが
似合わない場合には「ネガティブなイメージ」が前面に出てしまうこともあります。

 

例えば、「秋のグループ」の「濁りのある、低明度の緑」を、顔の近くに当てた場合は
似合うときには「穏やかさ」「充実感」のイメージにつながり、
似合わない時には「疲れている」イメージにつながったりするのです。

 

「好きな色」を身につけたいけれど、顔映りが良くない時には

 

・好きな色は、顔から少し離れたところに取り入れる。
・顔映りの良い色を、顔のそばに取り入れる。

 

・好きな色は、プライベートタイムに身につける。
・顔映りの良い色は、人と会うときに身につける。

 

などの工夫をしてみてくださいね。

 

 

色のチカラを味方につけて。今日も素敵な一日を。

 

<色には、必ず、ポジティブな側面、ネガティブな側面があります。また、色彩とどのようにつきあってきたか、個人的な経験によって、同じ色にも多様な意味があります。「良い色」「悪い色」というのは、ありません。>

 

(文中に使用したカラー見本:『色の名前 507 日本の色と外国の色』福田邦夫著 主婦の友社のページを写したもの / 『The・パーソナルカラー』「テストカラー集」トミヤママチコ著 を写したもの / 参考文献 : 『心を元気にする色彩セラピー』末永蒼生著 PHP研究所、内閣府認定 公益社団法人色彩検定協会監修『色彩検定公式テキスト3級編』、『色彩心理のすべてがわかる本』山脇惠子著 ナツメ社、『なりたい自分になるための「色」の掟。』高坂美紀著 講談社、『役に立つパーソナルカラー』トミヤママチコ著 学研パブリッシング)

 

佑貴つばさ(ゆうきつばさ)「色とココロのコンシェルジュ」色彩心理カウンセラー

 

HPに使用しているぬり絵図柄 : © 末永蒼生 HEART & COLOR CO.,LTD

 

Les Ailes de Ma Couleur(レゼル・ド・マクルール)~私色の翼~

 

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