自己肯定感を高めるために。「できる自分」は好き? では「できない自分」も好き?
凄惨な事件が後を絶ちません。
なぜ、他者を攻撃してしまうのか。
なぜ、一人ひとりの存在を認められなくなるのか。
他者に向ける目は、実は、自分に向ける目と同じ。
あらためて「自己肯定感」について考えてみました。
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1) 自分のこと、好きですか?
自分のことが好きですか?
上手くいっている時の自分、成果を上げている時の自分は好き?
では、成果を上げていない時、イケてない時の自分のことも好きですか?
「好きな自分」には、条件がつきますか?
私の話を少し。
30代半ば、だったでしょうか?
手帳に「やるべきこと」「予定」をビッシリ書き込んで、充実していると感じた。
それを見ると安心した。
そんな時期がありました。
「異業種交流会」「話し方教室」「自己啓発セミナー」、いろいろな勉強会に通いました。
「素敵」って言われたくて、ファッション・自分の見た目にも、すごく気を配って。
何かを「頑張っている自分」「ほめてもらえる自分」が気に入っていました。
なまけている自分より、自分に厳しい自分・頑張っている自分の方が好き。
そして、何かを「達成した自分」が好きで。
「成果が上がった自分」を、自分でほめてあげたい。
それって、自然な気持ちかもしれません。
実際に、その時期の「外にドンドン出ていく自分」がきっかけとなり、
自分に自信を持てるようになったとも思います。
それまで「隠れ人見知り」と言うか「隠れ引っ込み思案」と言うか。
周りの人に悟られないようにしていたのですが、人付き合いが、本当は苦手だったから。
その時の自分にも、意味があったと思います。
でも、その頃の私は「○○できる自分を評価する。」と、
好きな自分に条件をつけていたんじゃないかなぁ、と感じます。
そして、その条件は「自分の心の中にあるもの」ではなく、
「形に見える」条件だったんじゃないかな、と。
人は、自分を見る時と同じ目で、他者を見てしまう。
だから「成果を上げている自分」しか認められないとしたら、
「他者に対しても、同じ見方」をしてしまうし、
自分の「外側の価値」を重視していたら、他者に対しても「外側の価値」を重視してしまう・・・
その頃の私は、「成果を上げている他者」のことは好きで、
「成果を上げていない他者」のことは、好きではなかったんじゃないか、と、ふと考えました。
そして「同じものさしで、自分と他者を比較」していたんじゃないかしら・・・と。
最近の私は、以前とは少し変わってきました。
自分のことは好きだけど、「○○ができる自分が好き」というよりは、
「自分の ”ありかた ”が気に入っている」そんな感覚です。
こういうコトが「自己肯定感」なのかもしれません。
少し分かってきた気がします。
2)「自己肯定感」って?
「自己肯定感」は、
「自己を肯定する感覚」「自分で自分の存在を認める感覚」
「自分は大切な存在、価値のある存在と感じる、心の感覚」のこと。
自己肯定感が、高い、低い、という言い方をしますね。
自己肯定感が低い場合には、こんな考え方の癖が出てしまいます。
・褒め言葉を信用できない。
・いつも何かに心配している。(自分のしたことに対して、いつも不安がある。)
・他人の目を気にしすぎる。
・必要以上に自分を責めてしまう。
・チャレンジする前に諦める。
(『ココロとカラダの教科書 welq[ウェルク]』サイトより引用)
また、
・勝ち負けにこだわり過ぎる。
・自分を大きく見せたがる。
・他者を攻撃してしまう。
・ゆがんだ愛情を求めてしまう。
などの傾向もあるようです。
「自己を肯定する。」
週末、一昨年亡くなった母の三回忌の法要でした。
母親って「無条件に自分を愛してくれたなぁ。」なんてことを思い返していました。
出来の良い時も悪い時も、変わらず愛してくれた。
私の「存在」を愛おしいと思ってくれていたんだなぁ、と。
「自己を肯定する」って、こういう気持ちに近いのかもしれません。
「成果を出している自分」もすごく好きだけど、
「成果を出していない自分」だって愛おしい。
自分の「ありかた」「心の姿勢」「存在」を肯定する。
他者から評価されてもされなくても、他者から気づかれなくても、
「自分の中で大切にしたい」と思うコトがある。
それがあると、人って、強くなれるのかもしれませんね。
自分のコトを「信頼」できるようになる。
ブレなくなるのかも。
そうすると、他者と比較しなくてすむから、安心できる。
他者の価値観も受け入れられる。
成果を上げている自分「だけ」が好きだと、成果を上げられない自分が怖くなります。
だから、ずっとガンバリ続けなくちゃいけなくなる。
失敗するのも、すごく怖い。
成果が上がっても「もっと上、もっと上」を目指さないと、と思う。
燃え尽きてしまうのも「成果」に価値を置いてしまうから。
でも「成果」は、ひとつの視点から見た、言わば、外側から見た評価。
絶対的なものではなく、相対的なもの。
「成果を上げて、自分をほめたい。認めたい。」
その気持ちは、プラスに働くこともあるけれど、マイナスに働くこともあります。
成果が上げられなかった時に、自分を認めることができなくなってしまう。
そして同様に、成果が上げられない「他者のこと」も認められなくなってしまう。
3)「他者を見る目」は「自分自身を見る目」と同じ。
「成果を上げている自分」しか認められない時。
人は「自分を見るのと同じ目で、他者のことも見てしまう」。
だから、成果を上げていない人を、認められなくなってしまう。
「出来る人」のことは尊敬するけれど、
「出来ない人」のことを認められなくなってしまうんですね。
逆から言うと、
「他者のこんな所が認められない」のは「自分の中のこんな所を認められない。」
と感じているから。
だから、自分の心が刺激されてしまうんです。
でも、人間なんだから「完璧」はありえない。
自分も他者も「完璧」でなくて良い。
「出来ないこと」があって良い。
自分を受け入れられるようになると、他者にも寛容になれる。
そう書いている私にも、思い当たる節があり、耳が痛いですね・・・
4)「成果」の基盤に、ブレない「自己肯定感」があると強い。
「成果を上げることができる」外側の自信。
「自分の ” ありかた “ を肯定し、いつも自分を大切にできる」内側の自信。
たとえば、失敗が怖くて、踏み出せない時。
実は、私は、とっても怖がりなんですが・・・
そんな時は、「成果」ばかりに焦点を当てて、
何があっても揺るがない「自分の軸」を忘れているのかもしれない。
「成果」が出ても出なくても、
「自分の心の姿勢」を肯定できれば、チャレンジすることが怖くなくなる。
チャレンジすることが怖くなくなれば、一度目に上手くいかなくても、何度でもトライできる。
「根拠のない自信」って、こんなところから生まれるのかもしれませんね。
5)「NO」と言えずに良い人になってしまうのはなぜ?
さきほど、30代初めまで、「隠れ引っ込み思案」だったと書きました。
そう。「本当は」人付き合いが苦手でした。
「本当は」の意味は・・・
会社で、周囲の人と上手くやっていたけれど。
自分からは、あまり話さなかった。
いつも人に合わせていて「自分の本当の気持ちを表現できず、いつも心の奥にしまっておいた。」という感じです。
会社時代だけでなくて、思えば、子どもの頃からずっとそうでした。
いつも「良い人」でいて、自己主張が出来なかった。
「NO。」ともなかなか言えなかった。
そういえば、「人に振り回されない心理学」「きっぱりNOといえる心理学」みたいなタイトルの本を、よく読んでいたことを思い出しました。
なんで「良い人」でいたか、と今、考えると。
「自分がどう思うか」より「他者からどう思われるか」
を優先してしまっていたんですね。
「自分の話」「主張」を、受け入れられないのが、本当は怖かったのかもしれません。
そんな時期に、有り難いことに、メンターに出会いました。
それで、少しずつ自分が変わっていきました。
私が受け入れやすいように、アドバイスをくださったり。
心理学系のエッセイ本を薦めてくださったり。
それも、後になってから気づいたことですが、
私が「自己肯定感」を高められるように、さりげなく助けてくださっていたんですね。
そのお蔭で、会社でも、自分の心地よいあり方を選択できるように、段々となっていきました。
そしてついには、会社を辞めて、自分の道を選択できるまでになりました。
自分の「ありたい」を優先し起業する、までの自分になれたんです。
6)「こうありたい自分」を肯定してあげましょう。
自分に「自信が持てないなぁ。」「自分のコト、あんまり好きじゃないなぁ。」という時。
自分が「出来るコト」の前に、まず、自分の心の中にある「ありたい」に、注目してみる。
自分が日々「大切にしているコト」に、光を当ててみる。
「自分って、素敵だよね。」と気づく。
「自分の気持ち」「自分の感覚」「自分の心地よさ」を優先してあげる。
それを軸に、一歩ずつ「行動」してみる。
そうすると、自分のコトを信頼できるようになってくる。
「内側の自信」をベースに、行動を重ねて「外側の自信」もつくっていく。
そんな風にできたら、もっと毎日が楽しくなると思います。
時には、自分と時間を掛けて向き合って。
自分自身の「ありたい」を大切に。
今日も素敵な一日を。
(タイトル写真&文中に使用した塗り絵図柄 : © 末永蒼生 HEART & COLOR CO.,LTD / 参考文献 : 水島広子著『小さなことに左右されない「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』大和出版、『ココロとカラダの教科書 welq[ウェルク]』サイト、末永蒼生監修『色彩学校 本科 テキスト』)
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文中に使用したぬり絵図柄 : © 末永蒼生 HEART & COLOR CO.,LTD
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