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色彩心理。通勤時間に目にする色は、紺・グレイ・黒。もっとカラフルに表現したい!
いつも満員の通勤電車。
毎朝、気持ちが重たくなりませんか?
私は、会社員時代そうでした(笑)
そんな中でも、電車の中が「好きな色」「優しい色」「明るい色」「楽しい色」だったら。
少し、気持ちが晴れるような気がしませんか?
毎日「目にする色」は、私たちが思っている以上に「私たちの心に影響を及ぼして」います。
身近にある色が変わると、心も変化していくのです。
今日は、電車内のカラーデザインを、私と一緒に「妄想」してみましょう!
目次
吊り革が「真っ黒」の電車に乗りました
あなたが、いつも通勤に使っている鉄道路線。
電車の中は「何色」ですか? 座席シート、床。
吊り革は、何色ですか?
よく見かける吊り革は、白やオフホワイト。全体がその色みのこともあります。
持ち手の円や三角の部分が「白・オフホワイト」でベルト部分は「グレイ」、その逆の色使いのこともあるでしょうか? たまに「水色」も見かけます。
そして、優先席付近は「色」を変えてあり、高齢者にも見やすい明るい暖色になっています。
目立ちやすい「赤みの黄(オレンジと黄の間の色)」などが多いですね。
でも、全体には「色みのないデザイン」が圧倒的に多いですね。
「刺激が無い」「飽きない」という意味では、良いのかもしれませんが。
ちょっと味気無い感じがしませんか?
あなたなら、何色の吊り革だと、ハッピィな気持ちになれますか?
一週間ほど前、打合わせに向かうために乗った、某鉄道会社の快速電車。
新型車両だと思いますが、吊り革が「黒」持ち手の部分もベルトの部分も、全部「黒」です。
真横から見ると「ずら~っ」と縦に、黒が連なって見えます。
まるで、京都の「伏見稲荷大社」の朱赤の「千本鳥居」を、黒くした感じです。
(写真出典:伏見稲荷大社ウェブサイト)
吊り革を見て、私は、なんだかすごく「緊張して」しまいました。
もちろん「黒」にも、ポジティブなイメージがあります。
物などに使われた場合「高級感・重厚感・強さ・粋・プロフェッショナル」などを感じさせる色です。
でも、デザイナーさん、ごめんなさい。
毎日見ていたら、私、気持ちが「とても重~く」なりそうです。
そう感じるのは私だけでしょうか?
気持ちが安定するのは「上が明るく下が暗い」配色
「あなたの周りにある色のコーディネート」にも応用できるので、一緒に考えていきましょう。
「黒い吊り革」で、なぜ、気持ちが重くなるのでしょう?
身長によって異なるものの、吊り革は、だいたい、顔・頭の辺りか、それより高い位置にありますよね。この位置に「黒」がくると「圧迫感」があるのです。
色には「重さ」があります。
「色の明るさ・暗さ」が、見た目の「軽い・重い」の印象につながっています。実際には同じ重さの2つの物があった時には、一般的に「明るい色」は「軽く」感じられ、「暗い色」は「重く」感じられます。
自然の中では、上の方が「明るく」下の方が「暗い」のが普通です。その方が「安心感・安定感」があります。逆になると「違和感」があります。
それで、敢えて「安定感をくずす」「動きをつくる」意匠でない限り、部屋の中などは一般的に「床が一番暗く、壁は明るく、天井が一番明るく」なるように、デザインされています。
人の目に見える色の中で、いちばん明るい色が「白」、いちばん暗い色が「黒」。
「黒」は、見た目に「最も重たく感じる色」
そのため、顔・頭より高い位置に「黒」があると、なんだか「違和感」があり、また、上から押さえられているような感覚を持つのです。
「色」は、こんな風に気づかないうちに「心」に影響しているんですよね。
あなただったら「何色の吊り革」につかまりたいですか?
通勤時の洋服の色は「無彩色」と「紺」が多い
会社員を2年半前に辞めた私。
起業してからは、通勤ラッシュの時間帯を避けて外出することが多くなりました。それで、たまに通勤ラッシュの電車に乗ると、なんだか落ち着きません。
会社員時代は毎日、平日の通勤時間帯に電車で通っていました。その当時は、周りの人たちの「スーツやコートの色」について、深く考えたり、感じたりすることは無かったのですが。
そこから離れてみて、気づいたことがあります。
朝夕の通勤時間のホームが「暗い」のです。
平日の昼間の風景と、ぜんぜん違うのです。
ホームで電車を待っている時や、電車から降りて改札へ向かっている時。
見渡すと、色が「黒」「グレイ」「紺」ばかりになるのです。それは、多くの人が着ているスーツやコートがその色だから。
(満員電車に乗り込んでしまうと、もはや見える色は「人の髪の毛の色」と「広告の色」ばかりになりますが・・)
実は「黒」「グレイ」「紺」は「気持ちを抑制する色」なんです。
「黒」「グレイ」や「紺」のイメージは?
色のイメージには、必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。
それで「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。
ただ
「この場面では、この色のプラスの側面を活かしやすい」
「この場面では、この色のマイナスの側面が出やすい」
というのはあります。
また
「この人は今、この色のポジティブなイメージを感じやすい」
「この人は今、この色のネガティブなイメージを受け取りやすい」
ということもあります。
同じ一人の人であっても、状況によって変わったりもします。
それでも「多くの人にとって、共通して受け取りやすい同じ印象」というのがあるのです。
「色に感じるイメージ」は、心と身体に作用します。
周囲にその色があること、その色を目にすることで、自分の心にも影響があります。
「白」「グレイ」「黒」は、色みを感じない色なので「無彩色(むさいしょく)」と言います。「無彩色」は、自分の感情を抑えている時、感情を内側に秘めている時に惹かれやすい色です。
・「黒」の持つ一般的なイメージには「自己確立・強い意志・集中・威厳 / 抑圧・人と距離を置きたい心理」などがあります。
・「グレイ」の持つ一般的なイメージには「ニュートラル・柔軟・落ち着き・控えめ / 不安・迷い・気力が無い」などがあります。
また、スーツの色によく見られる「紺」色は、色みのある色「有彩色(ゆうさいしょく)」ではありますが、「暗い青系の色」。やはり「自分の感情を抑制する」ことにつながりやすいです。
・「紺」の持つ一般的なイメージには「誠実・真面目・厳格・沈静 / 抑制・緊張感」などがあります。
仕事の場面で着用するスーツや制服の色。自分の「感情を抑える色」なのかな、と気づきますよね。
仕事の場面、学びの場面で「自分を律する」「感情を抑えて、ルールを守る」ために、プラスに働くという側面も確かにあります。
・「お客様に対して、誠意・真面目さ」を表現できる色(紺)
・「プロであること」を伝えられる色(黒)
・「相手の話を受け入れられる」色(グレイ)
でもあります。
と同時に「心の自由を制限する色」でもあるのです。
「ルールを守ること」も必要ですが、同時に、
「自由に自分を表現する」ことも必要なんですよね。
では「気持ちを軽く、明るく、のびやかにする」には、どうすれば良いのでしょうか?
オンとオフのメリハリを「色」でもつけてみましょう!
いつも、自分の感情を抑えてばかりでは、自分で気づかない内に、心の奥に「ストレス」を溜め込んでしまうことになります。
大人ですし、いつも「自分の欲求に任せて行動する」というわけにはいきません。自分を律する必要がある時には「抑制」につながる色みが、サポートしてくれることもあるでしょう。
でも、いつも、いつも「感情」を抑えていなくても良いのです。
自分の感情を表現できる「色」の力を借りて。
時には、思い切って「自己表現」「自己解放」してみましょう。
私は、通勤電車の中も、もっとカラフルで良いのでは、と思っています。
ちょっと「妄想」してみましょう!
例えば、吊り革の1本1本、色を変えて。
鮮やかな色がたくさんあると、気持ちが散漫になったり、落ち着かなくなったりするので。
強すぎない、優しいトーンの「虹の7色」に。
ベルトの部分は「オフホワイト」のままで「持ち手の部分だけ色をカラフルに」すれば、車内広告もジャマしません。
あるいは
・優しい気持ちになりたい人の「ピンク色ゾーン」
・無邪気になりたい人のための「黄色ゾーン」
・陽気になりたい人のための「オレンジゾーン」
・心身がお疲れの人のための「緑ゾーン」
・集中したい人のための「青ゾーン」
なんていう遊びがあっても良いかしら?なんて思っています。
どのゾーンが「混むかな?人気があるかな?」なんて想像したりして。
でも、現実に今すぐには難しいですね(笑)
では、どうしましょうか?
電車の中が「暗い色」だとしても。
あなた自身が「明るい色」「楽しい色」「惹かれる色」を身に着けて、身近に置いて。
感情を開けば良いのです。
会社に着いたら、洋服に「派手な色」は NG かもしれません。
でも、通勤途中なら色で遊べます。「ストール」「手袋」「バック」
営業の方は難しいかもしれませんが、それ以外の方は、会社では脱げる「コート」だって。ちなみに、私のコートは「マゼンタ(赤紫)色」です。
ただし、満員電車の中で「鮮やかな赤」を大きな分量で取り入れると、「怒り」の感情につながるかもしれません。それは要注意!
もっと手軽な方法なら「ハンカチ」や自分のデスクで使う「文房具」をカラフルにしても良いですよね。
また、仕事の日はどうしても「地味な色」を着る必要がある方は、プライベートタイムに「本当に自分が心地いい色・好きな色」を取り入れてはどうでしょう?
オンとオフのメリハリを、ぜひ「色」でもつけてみてください。
各色の詳しいイメージはこちらのコラムの中に書いてあります。ぜひご参考に!
毎日「目にする色」は、私たちが思っている以上に、私たちの心に影響を及ぼしています。
いつも感情を抑えている人は、ぜひ「色」で、少しずつでも、自分を表現してください。
もっと、もっと「色」を楽しんでくださいね。
色のチカラを味方につけて。今日も素敵な一日を!
<尚、それぞれの色には、必ず、ポジティブな側面、ネガティブな側面があります。また、色彩とどのようにつきあってきたか、個人的な経験によって、同じ色にも多様な意味があります。「良い色」「悪い色」というのは、ありません。>
(写真引用:伏見稲荷大社ウェブサイト / タイトル写真に使用したぬり絵柄:© T.Suenaga, HEART & COLOR CO.,LTD. 2001-2012 / 文中に使用したぬり絵柄:© T.Suenaga, HEART & COLOR CO.,LTD. 2001 / 参考文献 : 末永蒼生著『心を元気にする色彩セラピー』PHP研究所、山脇惠子著『色彩心理のすべてがわかる本』ナツメ社、高坂美紀著『なりたい自分になるための「色」の掟。』講談社、ビジネスカラー研究会編著『使える!色彩学』洋泉社、内閣府認定 公益社団法人色彩検定協会監修『色彩検定公式テキスト3級編』)
佑貴つばさ(ゆうきつばさ)「色とココロのコンシェルジュ」色彩心理カウンセラー
HPに使用している塗り絵図柄 : © T.Suenaga, HEART & COLOR CO.,LTD
Les Ailes de Ma Couleur(レゼル・ド・マクルール)~私色の翼~
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