「黒い服」のはなし【Vol.3】大人の女性が黒に頼ってはいけない理由(前編)

2024.02.08 (木)

~わたしを磨く色彩の魔法~

 
前々回から「黒い服」についてお伝えしています。

 
「黒い服のはなし【Vol.1】リトル・ブラック・ドレス」はこちらからご覧いただけます!

「黒い服のはなし【Vol.2】大人の女性が魅力的に黒を着るために!」はこちらからご覧いただけます!

 
あなたは「黒い服」が好きですか? 黒をよく身に着けますか? 周りに黒い物が多いですか? 今回から2回に渡り、大人の女性が「黒」に頼ってはいけない理由についてお話しします。

 

大人の女性が黒に頼ってはいけない4つの理由

 

 
「黒い服をよく着る」という大人の女性に質問があります。「心の中で」でいいので答えてくださいね。

 
最近のあなたに「黒」は似合っていますか? 顔うつりはどうでしょう? 

 
「表情が暗く見える」「なんだか、老けて見える?」「不機嫌そうに見える」

 
以前、黒を着るときに感じていた、ワクワクした気持ちはありますか?

 
「新鮮な感じがしない」「気分が重くなる」

 
もしも、あなたがこんな風に感じているとしたら、「黒に頼ってはいけない」時期が来ているといえるでしょう。大人の女性には黒に頼らない方がいい「理由」があるからです。黒い服を着たとき、あなたの「見た目」「心」には、こんな4つの変化が起きているかもしれません。

 
1. 顔が暗く、険(けわ)しく見える
2. 雰囲気が、重たく見える
3. 無意識に、人と距離を置いてしまう
4. 自分の気持ちを抑えて、我慢をしてしまう

 
どうでしょう?「あっ」と思い当たることがありませんか? では、「黒」がつくる「あなたの印象と心」について、詳しくお伝えしていきますね。

 

黒い服は、顔を暗く、険しく見せる

 

最初に、黒い服の「顔うつり」についてお話します。顔うつりには、顔の近くにある「色の明るさの度合い」が大きく影響します。首元に「明るい色」を持ってくると、顔が明るく肌が均一に見えます。首元に「暗い色」を持ってくると、肌が暗く色が濃く見えます。肌色が服の色に「同化(どうか・別の色に近づいて見える現象)」するのです。時折「暗い色を着ると、対比(たいひ・隣り合う2色の差が強調される現象)の効果で肌が明るく見える」という方もいらっしゃいますが、実は顔と服の関係には、対比ではなく同化の現象が起きています。実際に鏡の前で「白い服と黒い服を交互に当てて比べてみる」とわかりやすいので、ぜひ試してみてください。

 
顔のそばの「暗い色」は、肌色だけでなく顔の上にある「あらゆるもの」も濃く見せます。目鼻立ち、顔のパーツも濃く、くっきり見せますが、シミやクマも濃く見せるのです。「暗い色」は影をつくり輪郭をシャープに見せますが、反面、シワも目立たせてしまいます。
 

 
人が目にする色の中で、いちばん暗い色が「黒」です。「黒」を顔のそばに持ってくると、顔うつりにはこんな影響があります。

 
◇「黒」が似合う場合

 
・目鼻立ちをくっきり見せる
・顔を立体的に見せる
・輪郭を引き締めシャープに見せる

 
◇「黒」が似合わない場合

 
・肌の色が暗く見える
・シミ、クマ、シワをくっきり見せる
・影をつくり、顔が険しく見える

 
10年前には気にならなかった「シミ、クマ、シワ」が、大人の女性の顔には、残念ながら目立ってきます。顔のそばの「黒」は、この「シミ、クマ、シワ」を、さらに濃く見せ、目立たせてしまうことがあるのです。大人が「黒い服」に頼らない方がいい理由の一つめがこれです。

 

黒は、雰囲気を重たく見せる

 

 
次に、「黒」の持つ印象とその効果・作用の話です。顔うつりだけでなく「全身のバランス」を考えてみましょう。色には、さまざまな心理的効果がありますが、その一つが色によって「重さ」の印象が変わることです。このことは、みなさんも日ごろ感じていらっしゃるのではないでしょうか。

 
「色の明るさ・暗さ」が、見た目の「軽い・重い」の印象を左右します。色違いの2つの物があった時に「明るい色」は見た目に「軽く」感じられ、「暗い色」は「重く」感じられます。色の中で、いちばん明るい色が「白」、いちばん暗い色が「黒」です。「黒」は見た目に「いちばん重たく感じる色」といえます。

 
トップスもボトムスもバッグも黒。全身「黒づくめ」の方を時々見かけます。「痩せて見えるから」という理由で、「黒い服」を着ている方も多いかもしれません。実際、身近にいる大人の女性に「なぜ黒をよく着るのか」と尋ねてみると「黒を着ると細く見えるから」という答えが返ってくることも多くあります。

 
色の持つ心理的効果には、この「膨張・収縮」も確かにあります。明るい色は「膨張色(ぼうちょうしょく)」、暗い色は「収縮色(しゅうしゅくしょく)」です。実際には同じ大きさの「白いもの」と「黒いもの」を比べた場合には、黒の方が小さく見えます。
 

 
でも同時に、暗い色は「重たく見える色」です。同じ大きさ・形・素材のものでも、明るい色だと軽く見え、暗い色だと重く見えます。黒は、白に比べて見た目の重さが約2倍になったという実験結果もあるそうです。服の場合も大きな分量に「黒」を持ってくると、ズドンと「重たく」見えてしまいます。とくに、ふくよかな方が全身を「黒」で覆ってしまうと、重たく見えやすいので要注意です。

 
物理的に「重たい」という色の印象が、気分まで「重たく」感じさせてしまうこともあります。人は無意識にも「色」にイメージを重ねて見ているからです。明るい色は「軽さ・やわらかさ・解放感」などのイメージや感情とつながりやすく、暗い色は「重さ・安定感・充実感」の他に「ストレス・抑圧」などのイメージや感情とつながりやすいという一般的な特徴があります。それで、暗い色の服を着ていると「心まで重たい印象」に結びつきやすいのです。

 
「周囲の人が見たとき」もそうですが、「鏡に映った自分自身の姿を見たとき」にも、重たく見えてしまいますよね。あなたは、鏡やショーウィンドー、電車の窓に姿を映して一日に何度も自分を見ませんか? 日に何度も見る自分のイメージが重たければ、潜在意識にインプットされる自分も「重たい自分」になっていきます。自己イメージが、いつのまにか「重たい人」になってしまう可能性があるのです。

 
さて、いつも「黒い服」を着ているあなたの印象はいかがでしょうか?
「黒は、今のあなたに似合っていますか?」

 
次回は、大人の女性が「黒」に頼ってはいけない理由、後半の2つについてお話しします。次回もお楽しみに!

 
*色には必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。また、ここで解説している色のイメージ・意味は、色の持つ一般的なイメージ・意味の一部になります。色には、「多くの人の共通語になっている意味」もあれば、「個人的な経験とつながる意味」もあります。「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。

 
*参考文献 :『なぜ、あなたは「黒い服」を着るのか 人生が変わる色の魔法』佑貴つばさ著 マキノ出版、『色とココロの教科書 驚くほど自分の可能性がわかる色彩心理』佑貴つばさ著 ごきげんビジネス出版

 
< 本記事は、佑貴つばさがウェブマガジン【作家たちの電脳書斎デジタルデン】に寄稿し 2022/8/7 に掲載された記事を、デジタルデン許可の元に転載したものです >
旧:WEBマガジン「作家たちの電脳書斎 デジタルデン」公式掲載原稿
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