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父とのギクシャクした関係を、色のチカラで修復できた話~黄色~【後編】
~50代で起業した佑貴つばさの「色とココロ」のはなし~
前回と今回の記事で「父とのギクシャクした関係」と、それを「ぬり絵につかった色」を通して修復できた私の実体験についてお伝えしています。
「家族の関係性」を色で表現するぬり絵で・・・
前回【前編】では、私が色彩を仕事にして間もない頃に「色彩学校」のスキルアップセミナーで、家族の関係性を見つめるための色彩心理ぬり絵をしたこと。そのぬり絵で私は、無意識に、父の椅子の周りに「黄色」を放射状に塗っていたこと。
また、幼い頃に「父は怖い」と思い込んでから、父といるときの私にはいつも緊張感があり、大人になっても深い話をほとんどできないままだったこと。そして私が30代初めの頃に父は急に亡くなり、心の中に「未解決の何か」が残ってしまったことについてお話ししました。
*「父とのギクシャクした関係を、色のチカラで修復できた話~黄色~【前編】」は、こちらかご覧いただけます。
今回【後編】では、ぬり絵に表現した黄色が「私にとってどんな意味を持っているか」に気づいたことで、父との関係性を修復できた体験。そして、それが大人の私が苦手なことを克服するきっかけにもなった理由について、書いていきます。
私の声が小さい理由は?
前回の記事でお話ししましたが、私は幼い頃から人見知りで、自分のことを人に話すのがとても苦手でした。それは、大人になっても変わりませんでした。自分の前に3人いたら、もう自分のことは話せなくなり、いつも聞き役にまわっていました。
「自分のことを話しても、受け入れてもらえないのではないか」
私の心の奥にあった、父の前で緊張し自分を抑えていた記憶。それが、私が人前で自己表現をするのが苦手になった大きな原因でした。
また私は、子どもの頃から話す声が小さく、小学生のとき同級生に「泣きそうな声だね」と言われたことを今も覚えています。大人になっても変わらず、新卒の入社試験で二次面接の最後に「ところで、あなたの声はいつもそんな風に小さいのですか?」と質問されたことがあります。当時の私には、自分の声が小さいという自覚がなかったため、驚き、焦って「しどろもどろ」な答えになってしまいました。
幼い頃に「大きい声を出さないでね」と言われ続けた経験が、無意識に「大きな声を出すことへの不安感」となり、大人になってからも声の大きさに影響を与えていたのです。
ぬり絵を読み解いてもらい、気づいたこと・・・
「色彩学校」のスキルアップセミナー中に、隣に座った有資格者同士で、お互いのぬり絵表現を読み解きし合う時間がありました。そこでぬり絵を読み解いてもらい、私は、自分の心の奥に押し込んでいた感情に気づいたのです。
(その時のぬり絵がこちらです)
<食卓の風景>(Copyright T.Suenaga, T.Sawada, HEART&COLOR CO.,LTD. 1992)
私は子どもの頃を思い出し、色でイメージしながら、自分の椅子を「ピンク」に。私にとって母のイメージの色である「ラベンダー」を母の椅子に塗りました。父を表す椅子には「モスグリーン」を選びましたが、気づくと父の椅子の周りには「黄色」を放射状に塗っていました。
私は、黄色を塗ったことについて、黄色につながる「甘え・さびしさ」の意味から、「父だって会社でつらいこともあり、ほんとうは家族に甘えたかったのだろう。それなのに、わかってあげられなくて悪かったな」という私の思いが表れたのだと、自分自身では読み解いていました。
ところが隣に座った女性は、私のぬり絵を見て、こう読み解きしたのです。
「お父さまに憧れていたんですね。黄色い光が外に向かって放たれていて、まるで太陽みたい」。
父の存在を、黄色で太陽のように表現したのは、心の奥深くに眠っていた私の無意識でした。
「ほんとうは、私の方こそ父に甘えたかった。仕事をする父に憧れてもいた。その感情を抑えていたから、父とふつうの会話すらできなかったのね」。
そう気づいたとき、セミナーの最中にもかかわらず、涙がポロポロとこぼれ落ちました。
過去を変えてくれた色の魔法
「自分のことを話しても、受け入れてもらえないのではないか」
心の奥にあった記憶が邪魔をして、父の前では緊張したまま、心の距離を縮めることができなかったけれど。
愚痴もこぼさず真面目に働き、家族を支え、私を育ててくれた父。その父に愛されていないはずがありません。
そう気づいた私の心には、父への感謝と、「もっと話をすればよかった。もっと父の話を聴きたかった」「ほんとうの気持ちを知りたかった」という思いが一気にあふれてきたのです。
この時私は、記憶の中でずっと怖かった父を許し、そして、父に甘えたり思いを伝えたりできなかった「自分自身」を許すことができました。
私が30代初めの頃に父は亡くなり、それから20年が過ぎていましたが、私は心の中で父との関係をようやく修復できました。
この時、「自己表現が苦手」「声が小さい」につながる根っこまでも、手放すことができたのです。
あなたには、ずっとこだわっている何かがありますが? ずっとモヤモヤしている何かがありますか?
色を通して、過去と向き合うこともできます。
ぜひ色のチカラを味方につけて、「もういらなくなった何か」を手放してくださいね。
*19色それぞれの一般的な意味、詳しくはこちらからご覧いただけます。
「好きな色で分かる心理・意味・効果 まとめ19色」
次回の ”50代で起業した佑貴つばさの「色とココロ」のはなし” もお楽しみに!
*参考文献 :『なぜ、あなたは「黒い服」を着るのか 人生が変わる色の魔法』佑貴つばさ著 マキノ出版、『色とココロの教科書 驚くほど自分の可能性がわかる色彩心理』佑貴つばさ著 ごきげんビジネス出版
*色には必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。また、ここで解説している色のイメージ・意味は、色の持つ一般的なイメージ・意味の一部になります。色には、「多くの人の共通語になっている意味」もあれば、「個人的な経験とつながる意味」もあります。「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。
< 本記事は、佑貴つばさがウェブマガジン【作家たちの電脳書斎デジタルデン】に寄稿し 2023/6/11 に掲載された記事を、デジタルデン許可の元に転載したものです >
旧:WEBマガジン「作家たちの電脳書斎 デジタルデン」公式掲載原稿
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