~50代で起業した佑貴つばさの「色とココロ」のはなし~ 目次1 先日、TVのインタビュー番組を観ていたら…2 ビジネス総合誌『プレジデント』の取材…
あなたの「苦手な色」は、どんな記憶とつながっていますか?
~わたしを磨く色彩の魔法~
前回は「好きな色」と記憶とのつながりについてお伝えしました。今回は「苦手な色」と記憶とのつながりについてお話します。
前回の記事「あなたの好きな色は、どんな思い出とつながっていますか?」はこちらからご覧いただけます!
目次
あなたには「苦手な色」がありますか?
あなたには、苦手な色がありますか? もしかしたら、あなたが「ずっと苦手な色」は、「子どもの頃の体験」や「身近な人のイメージ」と結びついているかもしれません。
色の持つイメージ・意味には、大きく2つの種類があります。ひとつめは「赤は情熱、青は冷静」のように、多くの人の共通語になっている一般的なもの。もうひとつは「個人的な経験・記憶」とつながる、その人にとってオリジナルのイメージや意味です。
今回は「苦手な色と記憶とのつながり」について、3つの事例をお話します。
最初の2つは「ピンク」が苦手な方のお話です。「ピンク」は女性に人気がある色ですが、一方で「ピンクが苦手」という女性も少なからず、いらっしゃいます。ピンク色は「母性・女性性」とつながりやすく、そこに苦手な理由が隠れていることもあるのです。
3つめは「緑」とつながる、私自身のネガティブな思い出について書こうと思います。
中学生の頃から「ピンクの服」が苦手だったAさん(事例1)
Aさんは、子どもの頃「ピンク色」が大好きで、何かを買ってもらう時には、いつもピンクを選んでいたそうです。ところが中学生の頃から、ピンクを着る自分に「違和感」を覚え、大人になってからは「最も着たくない色」になりました。
そこには、お母様との関係性が映し出されていました。お母様は「ピンク」をよく着る人だったそうです。幼い頃、大好きだったお母さん。でも、その愛情が幼い弟にばかり注がれているように感じ、寂しい思いを抱えていたといいます。その寂しさは、中学生の頃から「反発心」に変わり、Aさん自身が親になってからは、「なぜ、兄弟をもっと均等に扱えなかったのか」という不信感と嫌悪感に変わりました。その思いが、お母様のイメージと重なる「ピンク」への苦手意識として表れたのですね。
40代半ばになり、ピンクという色を見つめ直して「母親に愛されていなかった訳ではない」と気づいてから、Aさんは、またピンク色を受け入れられるようになりました。
子どもの頃から「ピンクの服」が着たくなかったBさん(事例2)
子どもの頃から「ピンク色の服」が着たくなかったBさん。ぬり絵セッションで「子ども時代から現在までの自分」を、色でたどりながらお話を伺うと、幼い頃、お父様に「男の子だったらよかったのに」と言われたことを思い出しました。
経営者の家柄で、後継ぎが望まれていたそうです。女性として生まれたBさんは、期待に応えられなかったと感じてしまいました。お父様のひと言が心に刻まれ、無意識にも「女性である自分」を否定し続けてきたようです。ピンクは「女性性」と結びつく色。「ピンクの服を着たくない」という気持ちには、彼女のそんな思いが投影されていたのです。
色を通して、時間を掛けて心を見つめたBさん。そうして、女性である自分を否定する心理からも抜け出したようです。
「緑」が苦手だった私自身の話(事例3)
3つ目は、私自身の話です。私がずっと苦手だった色に「オレンジ」と「緑」があります。その中で、今日は「緑」の話。「緑」といっても草木の緑色ではなく、ちょっと「人工的な感じのする鮮やかな緑」が苦手です。
この写真も女性もチャーミングなのですが…
ある時、この「鮮やかな緑」が、高校時代の「学年ごとに決まっていた体操着(ジャージ)の色」だったことを思い出しました。私の通った高校では「入学時に決められた色」のジャージを3年間着るのですが、そのジャージの緑が、私の「ネガティブな記憶」と結びついていたのです。
思い返せば高校時代は、自分を肯定できない3年間でした。中学生の私は、勉強にも運動にも自信がありました。ところが、高校で進学校に入学してみたら、勉強も中程度、運動も中程度。「自分への期待」が大きくはずれました。
そんな中、学内クラス対抗のバレーボール大会で、「上手なチーム」と「下手なチーム」というグループ分けをされたことがあります。「下手なチーム」に入れられた私。もう、恥ずかしくもあり、情けなくもあり、ひどく落ち込みました。その時の「プライドが傷ついた記憶」と、体育の授業で着ていたジャージの「鮮やかな緑色」が、私の心の中で結びついていたようです。
高校時代は挫折が多かった時期です。周りには優秀な人ばかり。同じ部活内には、一流大学へ推薦入学する同級生が多数。でも、私は大学受験も失敗して、希望していた大学へは進学できませんでした。落ち込んで、卒業式を欠席したほどです。そして、社会人になってからも、受験に失敗したことが私のコンプレックスになっていました。
その頃のネガティブな記憶や感情が「鮮やかな緑」とつながり、それで、私にとって「苦手な色」となっていたのです。
さて、あなたが苦手な色は、どんな記憶とつながっているのでしょうか? 苦手な理由に気づくことは、人との関係性を受け入れたり、上手くできなかった「自分自身」を許したりするきっかけになるかもしれません。こだわりを手放すことで、前に進めるのではないでしょうか。
色を通して、あなたの心を見つめてみてくださいね。
今日は「苦手な色と記憶とのつながり」についてお伝えしました。次回もお楽しみに!
*色には必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。また、ここで解説している色のイメージ・意味は、色の持つ一般的なイメージ・意味の一部になります。色には、「多くの人の共通語になっている意味」もあれば、「個人的な経験とつながる意味」もあります。「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。
*参考文献 :『なぜ、あなたは「黒い服」を着るのか 人生が変わる色の魔法』佑貴つばさ著 マキノ出版、『色とココロの教科書 驚くほど自分の可能性がわかる色彩心理』佑貴つばさ著 ごきげんビジネス出版
< 本記事は、佑貴つばさがウェブマガジン【作家たちの電脳書斎デジタルデン】に寄稿し 2022/3/20 に掲載された記事を、デジタルデン許可の元に転載したものです >
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