質のよい睡眠に適した色は? <前編>

2024.02.08 (木)

~わたしを磨く色彩の魔法~

 
ここ2年くらいでしょうか。「質のよい睡眠」につながる商品、たとえば、寝具、食べ物、飲み物などのテレビCMや、睡眠の質を測るアプリの紹介などを、目にする機会が多くなった気がします。環境の大きな変化によるストレスや、漠然とした不安から、「寝付けない」「眠りが浅い」などの悩みを抱える人が増えているのかもしれませんね。

 
今回は2回に分けて「安眠につながる色の使い方」についてお話しさせていただきます。

 

実は、「真っ白」は人を緊張させる色なのです!

 

 
まず、シーツや枕カバーなどの定番色である「白」についてお話します。
以前テレビの情報番組でも解説されていたのですが、実は「真っ白(純白)」は、人に「緊張感」を与える色であり、また照明によっては、眩しく感じられることもある色です。くつろいで過ごしたい場所のインテリアには、向かない色なのです。

 
ホテルのベッドに敷かれた「真っ白なカバーやシーツ」を見ると、ちょっと緊張して寝付けなかったりしませんか? それは、この色が無意識にも「真っ白な状態を汚したくない」という感覚につながり、人の気持ちを緊張させるという側面があるからです。(ちなみに、ホテルで「白」の寝具を使っているのは、「汚れがすぐに分かるように」という衛生面での理由があるそうです。)

 
以前デジタルデンに掲載した「白の心理」の記事はこちらからご覧いただけます!

 
「就寝前の時間」を過ごす自宅のリビングや寝室は、リラックスできる色づかいにしたいもの。もしも、そういった場所のインテリアに「真っ白」を取り入れたい時は、小さな面積に留めておくといいでしょう。
 

 
一方で、「白」は清潔感やスッキリとした印象があり、部屋を広く見せてくれるというプラスの効果もある色。インテリアに「白」を大きな面積で取り入れたい時は、少し「色み」があり、温かさや柔らかさを感じさせる「エクリュ(生成り色)」や「アイボリー(象牙色)」など、オフホワイトを選ぶといいですね。
 

 
また、穏やかさのイメージがある「ベージュ」は、最も緊張をゆるめてくれる色とされ、くつろぎたい空間のインテリアに向いています。白の代わりに「明るいベージュ」を、ベージュと同様に自然界に見られる色「緑」と組み合わせて取り入れると、居心地のよい場所がつくれるでしょう。

 

ベッド周りの小物の色は?

 

 
就寝前には「気持ちを高ぶらせる色」ではなく、「落ち着かせる色」が目に入るよう工夫をしましょう。沈静効果がある色としては「青系」がオススメです。

 
「青」を中心とした「寒色系の色」は、自律神経のうち、休息モードの「副交感神経」を優位にする作用があることが実験からわかってきています。青を見ることで、呼吸や脈拍が安定し、気持ちが静まり、眠りに就きやすい状態をつくってくれるのです。ベッド周りに「青系の色」の枕カバーやクッション、小物などを置いてみてください。

 
ただし、「深い青」を大きな面積で取り入れると、「寂しさ・孤独感」につながることがあります。また「寒色系の色」は、赤・オレンジ・黄など「暖色系の色」と比べて、体感温度が2~3度も低くなるという実験結果もあります。

 
部屋の中に青い物を取り入れる場合は、分量を調節し、季節を考慮して選ぶようにしてください。青は「ベージュ」や「茶色」とも調和しやすい色。青を、温かみのある木目調の家具と組み合わせて使うのもいいですね。
 

 
睡眠の質を上げる色づかい。「自分にとって心地よく感じる色」を選ぶことも大切です。まずは、枕カバーやクッションカバー、写真立て(ポストカード)など、取り入れやすい小物から試してみてはいかがでしょうか。

 
今回は「安眠につながる色の使い方」<前編>をお伝えしました。
次回の<後編>では「パジャマの色・照明の色・朝の目覚めに適した色」についてお伝えします。お楽しみに!

 
*色には必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。また、ここで解説している色のイメージ・意味は、色の持つ一般的なイメージ・意味の一部になります。色には、「多くの人の共通語になっている意味」もあれば、「個人的な経験とつながる意味」もあります。「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。

 
*参考文献 :『なぜ、あなたは「黒い服」を着るのか 人生が変わる色の魔法』佑貴つばさ著 マキノ出版、『色とココロの教科書 驚くほど自分の可能性がわかる色彩心理』佑貴つばさ著 ごきげんビジネス出版

 
< 本記事は、佑貴つばさがウェブマガジン【作家たちの電脳書斎デジタルデン】に寄稿し 2022/2/6 に掲載された記事を、デジタルデン許可の元に転載したものです >
旧:WEBマガジン「作家たちの電脳書斎 デジタルデン」公式掲載原稿
現:「挑戦者たちの電脳書斎 デジタルデン」 (https://digi-den.net/)

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

色彩心理 自己分析プライベートセッション

NHK Eテレ、TBS、フジテレビ、日経電子版、読売新聞、メディア実績ページを見る

▼シェアをお願い致します!▼

関連する投稿

現在の記事: 質のよい睡眠に適した色は? <前編>

お問い合わせはこちら

メールでのお問い合わせ

フォームからのお問い合わせ

お問い合わせフォーム »
  • 働く大人女性の独身女性へ
  • 今が「転機」の50代女性へ
  • 実践的な企業研修をお探しの方へ
  • YouTube 私色のつばさチャンネル 動画を観る

コラムテーマ一覧

過去のコラム

私が伝えたい11のこと

pagetop