何かをなくすと、そこに「別の世界」が現れる。アラフィフで起業した私が『魂の退社』を読んで思うこと-3

2017.01.15 (日)

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「50歳、夫なし、子なし、そして無職・・・しかし、私は今、希望でいっぱいである」

『魂の退社』。アフロでおなじみの元朝日新聞編集委員、稲垣えみ子さんの著書。

 

25年勤続した某有名企業をアラフィフで辞めて起業した自分と、勝手に重ね合わせて気になり読んでみました。「そうそう、そうなの。」と共感できることが一杯。多分、同じように感じている大人の独身女性は、実はたくさん居るのでは、と思います。

 

少しずつ、コラムで紹介させてもらっています。今日は3回目、こんなことを書いてみました。

 

「ある」ではなく「ない」にも豊かさがある。

 

 

会社員時代、「欲望全開」の暮らしをしていたという稲垣えみ子さん。
人生の折り返し地点に立って、リアルな老後を想像し、「お金がなくてもハッピー」にさせてくれる「何か」を探し求めて。そして、こんな気持ちにたどり着いたそうです。

 

「ない」ことにも豊かさがある。「豊かさ」って何なのか。

 

【 何かをなくすと、そこには何もなくなるんじゃなくて、別の世界が立ち現れる。それはもともとそこにあったんだけれども、何かがあることによって見えなかった、あるいは見ようとしてこなかった世界です。・・・「ない」ということの中に、実は無限の可能性があったんです。 でも私は頑張って「ある」世界を追求してきた。「ある」ことが豊かだと思い、そのために働いておカネを一生懸命稼いできた。しかし「ない」ことにも豊かさがあるとしたら、それはいったい何だったんだと。(『魂の退社』より抜粋。)】

 

そう気付いた稲垣さんは、次々と電化製品を捨て始めて、電気代を使わない生活に切り替えたそうです。
電子レンジ、扇風機、こたつ、ホットカーペット、電気毛布。そしてついに冷蔵庫まで。潔いですね。

 

【 ・・・いったい何が必需なのか、何が豊かなのか、どんどんわからなくなってきました。もしかして、「なければやっていけない」ものなんて、何もないんじゃないか。そう気づいた時、私はものすごく自由な気がしたのです。現代人は、ものを手に入れることによって豊かさを手に入れようとしてきました。しかし・・・「あったら便利」は案外すぐ「なければ不便」に転化します。そしていつの間にか「なければやっていけない」ものがどんどん増えていく。・・・それまでずっと「あったらいいな」と思うものを際限なく手に入れることが自由だと思ってきました。しかし、そうじゃなかった。いやむしろまったく逆だった。「なくてもやっていける」ことを知ること、そういう自分をつくることが本当の自由だったんじゃないか。(『魂の退社』より抜粋。)】

 

昨年4月に来日したウルグアイの元大統領、ホセ・ムヒカ氏の話を思い出しました。
「世界一貧しい大統領」として知られているムヒカ氏。来日した時の話の中でも、私の心に残ったのが 、

“ 物を買う時「お金」で買っているのはなく、そのお金を得るために使った「時間」で買っている。”

 

物を手に入れるために「時間」を使って。
でも、大切な「時間」を使って手に入れたものが、「豊かさ」につながるとは限らないのですね。

 

「無ければ困る」と思い込んでいるものは「もの」だけではない
人間関係や、自分だけで勝手に決めた「あるべき」という自分のルールもそう。
自分を縛りつけている「何か」も、敢えて手放してみることで、違う世界が現れるかもしれません。

 

そんな形で「自由」を手にした稲垣さん。かつて「金満ライフ」をおくっていた頃の自身のことを書いています。

 

「買い物が止まらなかった頃」のこと

 

 

稲垣えみ子さんの本から抜粋です。5年ほど前、私にも同じような時期があり・・・「私だけじゃなかったんだ。」バブルを知っている世代ですし。そして、他にも多くいるのかもしれない、と思いました。

 

【 改めて思い返すと、この頃の私は本当にめちゃくちゃなお金の使い方をしていました。好きな洋服は買いたい放題。月に一度はお気に入りの洋服屋さんへ行って山盛りの洋服やら靴やらを片っ端から試着し、ダーっと何点も買うのです。・・・しかしですね、お店の人にちやほやされ、大金を支払って服を手に入れる「その瞬間」が幸せのピークなのです。その後、重くかさばる紙袋を持ってようやく家に着くと、まあ何ということでしょう。もうその服やら靴やらを袋から取り出すことが、どことなく面倒くさいのです。・・・大喜びで買ったものの何年も袖を通していない洋服がいやでも目につく。・・・しかしそこまでわかっているのに、シーズンが変わると洋服屋に行き、いつものようにいそいそと買い物に勤(いそ)しむ。まったくもって意味不明の行動ですが、当時の自分を振り返ると、そうしなければいけないんだと思い込んでいた。そういう「リッチ」な自分でい続けたかった。それ以外の方法で自分を楽しませ満足させる術を知らなかったからだと思う。(『魂の退社』より抜粋。】

 

「それ以外の方法で自分を楽しませ満足させる術を知らなかった・・・」。

 

そして本当は・・・心から楽しくも無かったし、満足もしていなかったのではないでしょうか。

 

5年ほど前の私も同じでした。「本当の自分を探し続けていた」頃のことです。
その時にはそう気づかなかったのですが、「自分のココロをモノで満たそうとしていたのだな。」と思い返す時期があります。

 

ワンピースを色違いで2枚買い、翌日に同じお店にジャケットを買いに行く。靴を2足まとめ買いして、もう1足はお取り置き。インテリア雑貨も食器も、家に沢山あるのに、また買ってしまう。山ほど買い物をしていました。ある日、どうしてもクローゼットに洋服が収まりきらなくなり、リサイクルショップへ。袖を全く通していないワンピースやジャケットを何枚も持って行き・・・リサイクルショップのオーナー女性に「もう!なんて無駄遣い!」と叱られたことがあるくらい。買い物に依存していましたね・・・

 

そう。お店でほめられ、お金を使う瞬間が喜びのピーク(笑)でも、家に帰ると多すぎるモノにエネルギーを吸い取られ・・・疲弊していました。それに、お金を使い過ぎてしまった罪悪感にも、さいなまれていました。

 

買い物でストレスを発散していたのと同時に「満たされない心」を、無意識にモノで埋めようとしていたのだと思います。本当は、モノで埋めることなど出来ないのに。だから、買っても、買っても、満たされない。また買ってしまう。それなりのお給料を貰っていたのに、貯金も全然できなかったんです(苦笑)

 

いくら数を増やしても、モノではココロは満たされなかった。本当は「別の何か」を求めていたんです。そして、それはきっと、「他の誰かや何か」に満たしてもらえるものでもない。「自分自身で満たす」ものなのです。

 

でも、「けっこうリッチな、見せかけの自分」が邪魔をして、「本当に大切なもの」が見えなかったのです。

 

何かをなくすと「別の世界」が現れる

 

 

自分の気持ち「したい・ありたい」を優先して起業してからは、「喜びの質」が変わった気がします。

 

起業してから。仕事を軌道に乗せるのは、思っていたよりずっと大変。それに、会社員時代には会社に任せっきりで、健康保険や厚生年金の金額さえも余り気にしていなかったけれど。独立してからは、「生きていく為には、こんなにお金が掛かるの!」と改めて驚くことばかりです。でも、安定収入があった頃より今のほうが、ずっと健全な生活をしていると思います。

 

それは「したい・ありたい」を優先して、心が安定しているから。衝動買いもすることが無くなり、「自分が持っているもの(モノとココロの両面で)」にフォーカスできるようになってきました。

 

「大切なものに集中できる」という贅沢。

 

何かがあることによって見えなかった世界が、そこにはあったのです。

 

ずっと進みたかった「色彩心理」の道で起業してから。
「自分の心を大切にする」ようになってから。
「本当に大切なもの」と「そうでないもの」の違いを感じるチカラが備わってきたのかもしれません。「本当に大切な何か」に、今、満たされつつあるのでしょう。100%満たされているわけではないけれど、満足度はグッと高いと感じます。

 

会社員時代、たくさんのモノに囲まれて、何年も過ごしてきました。
最近、使わないモノは、どんどんリサイクルショップへ持って行ったりして。自分の心に必要のないモノを、そぎ落としつつあります。「本当に大切なもの」に集中し、それ以外を手放し始めると、なんだかすごく心地よい

 

これまで「自分にとって、本当は必要の無いモノ」に、「どれ程の時間とココロを支配されていたのだろう。」と気づきます。

 

もしも、あなたが、買っても、買っても、満たされない。
手に入れたはずなのに、空しい感じがする。
そんな思いを抱いているとしたら・・・

 

本当に欲しいものとは「別のもの」で、ココロを満たそうとしているのではないでしょうか?

 

あなたが「本当に欲しいものは何か?」「いちばん大切なものは何か?」
自分の心の声に、耳を傾けてみてください。
そして、心からの欲求が分かってきたら、そこにチカラを注いでみてください。
少しずつ、そのために費やす時間を創ってくださいね。

 

あなたの心の奥の声を大切に。
あなたの心に秘められた可能性を大切に。

 

今日も素敵な一日を。

 

『魂の退社』を読んで思うこと-2 コラムはこちら>>

 

( 文中に使用した塗り絵絵柄 : © 末永蒼生 HEART & COLOR CO.,LTD / 参考文献 : 稲垣えみ子著『魂の退社 会社を辞めるということ。』東洋経済新報社)

 

佑貴つばさ(ゆうきつばさ)「色とココロのコンシェルジュ」

 

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文中に使用した塗り絵図柄 : © 末永蒼生 HEART & COLOR CO.,LTD

 

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