(タイトル写真出典:朝日新聞デジタル 2020/11/09 記事) アメリカ大統領選。 バイデン候補の当選が確実となったものの トランプ現大統領は…
トランプ氏の赤いネクタイとオバマ氏の青いネクタイ。色の明るさ・鮮やかさにも感情が表れます。
目次
トランプ氏は「赤いネクタイ」、オバマ氏は「青いネクタイ」
今月20日に2期8年の任期を終えて退任するオバマ米大統領。
10日夜(日本時間11日午後)に、シカゴで米国民に向けた任期最後の演説を行いました。
着用していたのは「深い青」のネクタイ。
青地に青の小さなドット(水玉)柄がありましたが、遠目には無地に見えるもの。
一方、トランプ次期米大統領は
11日午前(日本時間12日未明)、ニューヨークの「トランプタワー」で、当選後初めての記者会見を開きました。
着用していたのは「鮮やかな赤」の無地のネクタイ。
「色彩心理」の活用。
感情は、「赤」や「青」「黄」「緑」・・・といった色相(色み)だけでなく
色の鮮やかさ、明るさの度合いでも、表現することが可能です。
トランプ次期米大統領の「鮮やかな赤」のネクタイ
11日の記者会見。
トランプ次期米大統領は
「トランプタワー」内に設けられた会場で、記者会見を開きました。
後ろに、10本くらいでしょうか?
アメリカ合衆国の国旗「星条旗」が掲げられていましたね。
トランプ氏のネクタイは
ちょうど「星条旗」の横線と同じかそれ以上に「鮮やかな赤い色」をしていました。
トランプ氏もオバマ氏も「赤いネクタイ」「青いネクタイ」を着用することが多い。
場面によって使い分けています。
とくに「ここぞ」という演説の場面では「赤いネクタイ」が多かった印象です。
でも比べてみると、トランプ氏は「赤」の中でも「鮮やかな赤」のネクタイを着用することが多い。
ストライプやドット柄のこともありますが
演説の時はとくに「無地で光沢を感じさせる、少し黄みを感じさせる赤」。
11日の記者会見でもそうでした。
オバマ氏は「赤」でも色みを抑えた「暗めの深い赤」を着用することが多かった。
レジメンタル・ストライプや、細かいドット(水玉)柄の赤の場合も多かったですよね。
自分に似合う色を知っているのに加えて、色の効果も上手く取り入れていたのだと思います。
「色彩心理」の視点から
色彩心理の視点から、色の効果の話を少しさせていただきます。
◆色の「明るさ」
色は、明るくなると「軽やかさ・優しさ・解放感」につながります。
暗くなると「重み・成熟・充実・安定感」「ストレス」などを感じさせます。
「中くらいの明るさ」は、心理的にも「強い感情」を表します。
◆色の「濁り」
「濁りを感じさせる色」は「穏やかさ」にもつながります。
「濁りの無いクリアな色」は、やはり「強い感情」につながります。
トランプ氏の着用していた「鮮やかな赤」の持つ一般的なイメージには
「活動的・自信・情熱・達成感・リーダーシップ・勇気・生命力」などがあります。
「興奮」「怒り・自己主張」などもあります。
「積極的な気分」の時に選びやすく、そういったイメージを演出してくれる色でもあります。
「怒り」から派生して「戦闘モード」も感じさせる色。
メディアとの対決姿勢を見せていましたね。
とくにCNN を攻撃していました。
今後も続いていくのでしょうか。
「パーソナルカラー」の視点から
また、「パーソナルカラー」の視点からも少しお話させていただきます。
「濁りの無いクリアな、黄みを感じさせる赤」は
フォーシーズン分類で「Spring(春)の色」。
血色を良く見せ、顔のハリ・ツヤを感じさせるのに最も適した色です。
(上の写真は「日本パーソナルカラー協会 属性ドレープ」)
Spring(春): イエローベース。清色。(写真左上)
Autumn(秋) : イエローベース。濁色。(写真左下)
Winter(冬) : ブルーベース。清色。(写真右上)
Summer(夏) : ブルーベース。濁色。(写真右下)
トランプ氏は「鮮やかな赤」の効果を、上手く使っていたようです。
オバマ氏の「深い青」のネクタイ
10日、米国民に向けた最後の演説で、オバマ氏は「青いネクタイ」を締めていました。
オバマ氏も、ここぞという演説の場面などでは「赤」のネクタイを着用することが多かったです。
でも、その場合も色みは「鮮やかな赤」ではなく「少し暗めの赤」の方が多かった印象です。
「情熱・リーダーシップ・生命力」などに加えて
「成熟・安定感」も表現していたのかもしれません。
そんなオバマ氏も、10日の演説では「深い青」のネクタイを着用。
「青」にも、明るく澄んだ空色から、濃く深い紺色まで、様々なバリエーションがあります。
一般に「明るい青」のイメージには「希望・解放感・積極性・自立」などがあります。
中位の明るさに位置する「青」のイメージには
「自立・自由・知的・冷静・集中・自律・理性」などがあります。
また「孤独・悲しみ」などもあります。
そして「暗い・深い青」のイメージには
「誠実・真面目・自律・鎮静」などがあります。
また「抑制・緊張感」などがあります。
闘いが終わるオバマ氏は「赤」ではなく「青」を選んだ。
青の中でも「深い青」。
「落ち着き・誠実さ」を表す色み。
そして、青地に青で柄が見えないネクタイは
「混じり気の無い、雑念の無いクリアな心」を表現したのかもしれません。
さて、トランプ氏の大統領就任演説は1月20日。
今度はどんな色のネクタイを着用するのか気になりますね。
「惹かれる色」には、あなたの心理が表れます。
「色」のイメージを使って、自分を演出することもできます。
「色」の心理効果で、自分の気持ちを活動的にしたり、冷静にしたり、リラックスさせたりもできます。
毎日に、色の効果をぜひ取り入れてみてくださいね。
今日も素敵な一日を。
(文中写真 : NPO 法人 日本パーソナルカラー協会「属性スケープドレープ」を写したもの / 参考文献 : 『心を元気にする色彩セラピー』末永蒼生著 PHP研究所、『色彩心理のすべてがわかる本』山脇惠子著 ナツメ社)
佑貴つばさ(ゆうきつばさ)「色とココロのコンシェルジュ」
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