前回のコラムでは「ほんとうに好きな色は、ホンネと一緒にバッグの中に隠れている」ことをお伝えしました。 今回のコラムでは、言葉による自己表現が苦手だ…
「藍」日本では、虹の7色に数えます。
「ジャパンブルー」
今年の夏、あなたは浴衣を着ますか?
もう着ましたか?
私は、もう何年も浴衣を着ていないのですが
浴衣を着ている人たちを見ると「あっ、いいな」と思います。
そして、浴衣を見ると子どもの頃のことを思い出します。
両親や兄と、夏祭りの屋台で、綿菓子を買ったり、ヨーヨーを釣ったり。
盆踊りの輪に加わったり。
そんな楽しい記憶がよみがえってくるのです。
最近は、カラフルな色合いの浴衣も多いですよね。
今50代の私が子どもの頃は
「白地に藍色や紺色の文様の浴衣」
あるいは
「紺地に白の文様の浴衣」
が、主流だったように記憶しています。
それに加えて、紅色の文様などもありました。
私は、母のつくってくれた
「椿」や「朝顔」など、花模様の浴衣を着ていました。
今でも、旅館の浴衣は、藍色や紺色の模様が多いでしょうか。
「藍色」は「ジャパンブルー」とも呼ばれます。
2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」のエンブレムにも「藍色」が使われていますね。
(上の写真;出典『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式ウェブサイト』)
「藍色」は、日本らしい色です。
日本では、虹の中に「藍」を数えます。
ここで「虹の7色」の話を少し。
雨上がりに見られる虹ですが
あなたは、「虹の7色」をすべて言えますか?
「赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍(あい)・青紫」
「藍(あい)」って、抜けてしまったりしませんか?
私は、以前は「藍」が抜けてしまっていました。
日本では「虹は7色」とするのが一般的ですが
実は、国や文化の違いによって、虹の色数も異なります。
虹の色は、グラデーションになっていて色の境は明快でないので
数える色の数も違っています。
それで、藍色を数えない国もあるのです。
アメリカでは虹は6色、ドイツでは5色だそうです。
「藍色」ってどんな色?
【染料の藍を溶いて流したような海の色を、海の藍と形容する。藍色とはそんな色を表す色名である。・・・同じ藍染でも、縹色(はなだ色)よりやや緑みを含む青が藍色なのである。・・・一般に、藍色は濃い青い色の色名として用いられている。(出典:『色の名前507 日本の色と外国の色』福田邦夫著 主婦の友社)】
【藍染の暗い色の通称が紺である。・・・紺色はいわば日常生活に欠かせない必要な色だったのである。そして江戸時代には紺屋は染色業の代名詞になり、しかもこれが大繁盛していたようだ。(出典:『色の名前507 日本の色と外国の色』福田邦夫著 主婦の友社)】
(上の写真:『色の名前507 日本の色と外国の色』福田邦夫著 主婦の友社 の1ページを写したもの)
藍染の着物やのれんなど
「藍色」は、江戸時代から庶民の生活の中に広く根ざした色でした。
「ジャパン・ブルー」とも呼ばれる「藍色」。
明治時代に来日した外国人たちは
「藍色」をエキゾチックな特別な色と感じ
「ジャパンブルー」と名付けて賞賛したそうです。
和食器の焼き物には、釉薬(ゆうやく)で青や藍色がありますが
これも洋食の世界では斬新に見えたのだそう。
「濃い青」の持つイメージは?
「濃い青、暗めの青」の持つ一般的なイメージの中で
ポジティブなものには「誠実・信頼・冷静・集中・真面目・品格」などがあります。
少しネガティブなものには「緊張・自己抑制・孤独」などがあります。
「紺色」を身につけると、一般的には、
「理知的で品格があり、落ち着いている人」「知識を持ち、信用できる人」「育ちの良さそうな人」
という印象を周りの人に与えます。
「藍色」も「紺色」も、濃い暗い青系の色の名前として使われていますが
色彩学的には、「藍色」は「紺色」と比べると
少し明るく、少し緑みを感じさせる(少し黄み寄りの)色になります。
藍色は、紺色とは、少しイメージが異なります。
紺色より明るく、黄色が少し入っているので、
紺色と比べると、親しみやすい感じ、少しカジュアルな印象になります。
「藍色」を服として身に着けたときに、周りの人に与える印象は
「素材」によって、素朴になったり、都会的になったり。
表情が変わる色ですよね。
今年の夏は、浴衣を着て。
食卓にも、藍色の文様の食器を並べて。
「和」を楽しみながら、「涼」を感じてみてはいかがでしょうか。
色の効果を取り入れながら。今日も素敵な一日を。
< 色には必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。また、ここで解説している色のイメージ・意味は、色の持つ一般的なイメージ・意味の一部になります。色には、「多くの人の共通語」になっている意味もあれば、「個人的な経験とつながる意味」もあります。「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。>
(文中写真:『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式ウェブサイト』より/ 参考文献 : 『心を元気にする色彩セラピー』末永蒼生著 PHP研究所、『色の名前507 日本の色と外国の色』福田邦夫著 主婦の友社、『色彩心理のすべてがわかる本』山脇惠子著 ナツメ社、『色の教科書』桜井輝子著 学研パブリッシング、『使える!色彩の教科書』芳原信著 洋泉社)
佑貴つばさ(ゆうきつばさ)
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