ゴッホの黄色の話 – 惹かれる色はココロの表現です。

2015.08.21 (金)

「ゴッホ」にとって「色彩は、強い気持ちの表現」

 

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(『Pen No.416』CCC メディアハウス表紙とページを写したもの。2016年に掲載)

 

学び直しのため、2014年に大学の通信教育課程に編入学。
今月はスクーリング(通学)月間。 心理学と美術史を選択しました。

 

今日は「西洋美術史」授業の3日目。
この講義では、特に「近代絵画(19世紀から20世紀前半)」について取り上げられています。

 

「色彩表現」についての話がありました。

 

近代以前の伝統的な絵画では、
色彩は「現実の世界に似せて描く絵画」を補助する為のものでした。

 

けれども、19世紀以降「色彩」そのものの価値が認められるようになりました。

 

後期印象主義の画家
「フィンセント・ファン・ゴッホ」

 

弟テオにあてた1888年の手紙の中に

 

「僕は目の前にあるものを正確に写そうと努める代わりに、自分の気持ちを強く表現するため、色彩をもっと気ままに使っている・・・」
という一節があります。
(慶應義塾大学通信教育 夏期スクーリング「西洋美術史」補助教材より引用)

 

「自分の気持ちを強く表現するため、色彩を気ままに使っている」

 

「黄色」は「満たされることへの期待感」

 

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(『Pen No.416』CCC メディアハウス表紙とページを写したもの。2016年に掲載)

 

「ゴッホ」と聞くと
向日葵(ひまわり)やアルルの風景画に使われた「黄色」を思い出しませんか?

 

ゴッホの「黄」に私たちが惹きつけられるのは
そこに、彼の強い感情をよみとるからではないでしょうか?

 

ゴーギャンとの共同生活を心待ちに。
ゴーギャンの部屋を「向日葵」の絵で飾ろうと思い立ったゴッホ。

 

背景も花瓶も花も「黄色」で描きました。

 

あなたは「黄色」を見ると、どんな気持ちになりますか?

 

「黄」は、明るい色、光のイメージの色。

 

純色(じゅんしょく・各色相の中で最も鮮やかな色)で比べたときに
有彩色のなかで、いちばん明るい色です。

 

色相環(※)でも、ほぼ反対側にある「青」との「コントラスト」で
描かれることも多かった、ゴッホの絵画。

 

「光」と「陰」が表現されているのです。

 

(※色相環は、赤・赤みのオレンジ・黄みのオレンジ・黄・黄緑・緑・青緑・緑みの青・青・青紫・紫・赤紫の順番に、グラデーションに繋がる有彩色の環のこと)

 

色相環-3-2

 

幼児は「黄色」がとても好き。

 

外の世界へと欲求が広がっている「好奇心に満ちた心」が
光のように外に向かう性質と重なるようです。

 

同時に

 

「自分に注目して欲しい気持ち」が「黄」を選ばせたりもします。

 

「ゴッホの黄色」に惹きつけられるのは、なぜ?

 

 

では、大人が「黄色」に惹かれるのは、どんな時でしょう?

 

「黄」からイメージされる言葉は、一般的には
「希望・期待・好奇心・意欲的・前向き・憧れ・喜び・暖かさ・幸福」
「ユーモア」などもあります。

 

同時に「甘え・寂しさ・依存・幼さ」などのイメージもあります。

 

「喜びに満ちている時、元気・楽しい時」にも惹かれる。

 

そして

「満たされることへの期待感。誰かに甘えたい・注目して欲しい時」にも
「黄」を選ぶ心とつながるんです。

 

多くの人が、ゴッホの「黄色」に魅了されるのは、
誰もが「満たされることへの期待感・生への切望感」を持っていて
それが投影されている、共感を呼んでいるのかもしれません。

 

あなたは、最近何色が気になりますか?

 

48色ネオパステル

 

惹かれる色は「深層心理のもうひとつの言葉」
言葉よりもダイレクトに心を語ります。

 

あなたのココロが惹かれる色に、注目してみてくださいね。

 

色彩にチカラをもらいながら、今日もステキな一日を。

 

黄色の心理について「動画」でお伝えしています。ぜひ、ご覧ください!

 

YouTube【私色のつばさチャンネル】にて、動画で「黄色の心理」の解説を行っていますので、是非こちらもご覧ください。

 

引用元:黄色の心理 ~ 色とココロのコンシェルジュ 佑貴つばさ~

 

<尚、それぞれの色には必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。また、ここで解説している色のイメージ・意味は、色の持つ一般的なイメージ・意味の一部になります。色には、「多くの人の共通語」になっている意味もあれば、「個人的な経験とつながる意味」もあります。「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません>

 

(タイトル&文中写真は『Pen No.416』CCC メディアハウス表紙とページを写したもの(2016年に掲載) / 参考文献 : 末永蒼生著『心を元気にする色彩セラピー』PHP研究所、慶應義塾大学通信教育 夏期スクーリング「西洋美術史」補助教材、『Pen No.416』CCC メディアハウス )

 

佑貴つばさ (ゆうき つばさ)
「色とココロのコンシェルジュ」色彩心理カウンセラー

 

文中に使用したぬり絵図柄 : © 末永蒼生 HEART & COLOR CO.,LTD

 

Les Ailes de Ma Couleur(レゼル・ド・マクルール)~私色の翼~

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