色彩心理 朝焼けの薄い紫は、癒しと希望の色

2019.01.11 (金)

「サグラダ・ファミリア」塔の壁「色のグラデーション」

 

 

 

(上添写真2枚 出典:NHK ウェブサイト「NHK スペシャル『サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む』」)

 

年始に NHK スペシャル
『サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む』
という番組を観ました。

 

130年以上も建設が続いている教会
「サグラダ・ファミリア」

 

90年以上前に亡くなった天才建築家
アントニ・ガウディが考案した
スペイン・バルセロナにある未完の世界遺産です。

 

この教会の最大のシンボル「イエスの塔」の建設
2018年秋に始まりました。

 

ガウディの建築資料は内戦で焼失しているため
ガウディが思い描いたイエスの塔の壮大な構想は
未だ謎に包まれています。

 

「光」と「色」にこだわっていたガウディ。

 

その思いを汲みとりながら
40年以上サグラダ・ファミリアで彫刻を続けてきた
外尾悦郎(そとお・えつろう)氏。

 

塔の内部の壁の色を決めていく過程
番組で密着取材されました。

 

試行錯誤を重ねた外尾氏は
ガウディが、色の研究に没頭し
「色のグラデーション」を生み出そうとしていたこと
を突きとめます。

 

自然界は、グラデーション。
自然には境目が無い。

 

でも
人間がつくるものには、すべて境目がある。
貧富の格差、社会の分断。

 

ガウディは、それを悲しみ
境目の無い世界を望んでいたのではないか。

 

そして

 

「水・空気・光・土」「時間・重力」
この世界のすべてを「色」に託す
と、外尾氏は決断します。

 

塔の内部に入ると
「色だけの世界」が広がる
そんな空間をつくりだすのです。

 

番組に
私は、どんどん惹き込まれました!

 

「サグラダ・ファミリア」塔の壁の薄い紫色

 

 

(上添写真はNHKスペシャル『サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む』画面を写したもの)

 

塔の内部の壁に
タイルでグラデーションをつくっていきます。

 

「白」

 

そして「薄い紫」

 

空や海の「青」
光の「黄色」
森の「緑」・・・

 

タイル職人が色をつくっていくのですが
初め、どうしても出せない色がありました。

 

それは「紫色」

 

でも、外尾氏はこの色にこだわります。

 

「薄い紫」は「夜明けの空の紫、朝焼けのイメージ」
「ピンクと青が混ざり合った色。目に見えない紫」
と、外尾氏は表現していました。

 

「一日の始まりにこの紫を見ると、希望が湧いてくる」と。

 

この「薄い紫」を
世界中の人々に届けたかったのですね。

 

『枕草子』春はあけぼの・・・

 

『枕草子』
平安時代中期に中宮定子に仕えた女房
「清少納言」により執筆されたと伝わる随筆ですが

 

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」

 

とあります。

 

「春は明け方がいい。だんだんと白くなっていく山の稜線が、少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいているのがいい。」
という意味です。

 

日の出の少し前
空がだんだん明るくなってくるとき。

 

雲が「少し黄み帯びたピンク色」に染まって
「空の青」と混ざり合い
「空が紫色にみえる時間」がありますね。

 

 

 

(上添写真は「ぱくたそフリー素材」より © Yamasha )

 

日本の色名には
「しののめいろ(東雲色)、または、あけぼのいろ(曙色)」
というものがあります。
「コーラルピンク」のような色です。

 

 

(上の色見本写真は、『色の名前 507』福田邦夫著 主婦の友社 のページを写したもの)

 

雲が
この「黄みを帯びたピンク色」に染まるのです。

 

このときの空の色
ほんとうに美しいですよね。

 

早起きと寒さが苦手な私も
この色を見ると、幸せな気持ちになります。

 

これから明けていく空の色。

 

「薄い、明るい紫色」には
「癒し・再生・優しさ・繊細」
などのイメージ・意味がありますが

 

「朝焼けの色の遠い記憶」とも
つながっているのかもしれませんね。

 

あなたは「夜明けの薄い紫色」を見ると
どんな気持ちになりますか?

 

身の回りのさまざまな色。
色のチカラを感じてみてくださいね。

 

色を味方につけて。今日も素敵な1日を!

 

 

< 色には必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。また、ここで解説している色のイメージ・意味は、色の持つ一般的なイメージ・意味の一部になります。色には、「多くの人の共通語」になっている意味もあれば、「個人的な経験とつながる意味」もあります。「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。>

 

(タイトル写真と文中写真:NHK スペシャル『サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む』より / 文中色の見本写真:『色の名前 507』福田邦夫著 主婦の友社 ページを写したもの / 参考資料・文献 : 「NHK」ウェブサイト NHK スペシャル『サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む』 、フリー百科事典『ウィキペディア』、「マナペディア」ウェブサイト、『色の名前 507』福田邦夫著 主婦の友社、『心を元気にする色彩セラピー』末永蒼生著 PHP研究所、『色彩心理のすべてがわかる本』山脇惠子著 ナツメ社、『なりたい自分になるための「色」の掟。』高坂美紀著 講談社)

 

佑貴つばさ(ゆうきつばさ)
「色とココロのコンシェルジュ」色彩心理の専門家

 

Les Ailes de Ma Couleur(レゼル・ド・マクルール)~私色の翼~

 

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