色彩心理。通勤時間に目にする色は、紺・グレイ・黒。もっとカラフルに表現したい!

2017.11.08 (水)

電車の中が「明るい色」「楽しい色」だったら?

 

 

いつも満員の通勤電車。

 

毎朝、気持ちが重たくなりませんか?
私は、会社員時代そうでした(笑)

 

そんな中でも、電車の中が「好きな色」「優しい色」「明るい色」「楽しい色」だったら。
少し、気持ちが晴れるような気がしませんか?

 

毎日「目にする色」は、私たちが思っている以上に「私たちの心に影響を及ぼして」います
身近にある色が変わると、心も変化していくのです。

 

今日は、電車内のカラーデザインを、私と一緒に「妄想」してみましょう!

 

吊り革が「真っ黒」の電車に乗りました。

 

 

あなたが、いつも通勤に使っている鉄道路線。
電車の中は「何色」ですか?
座席シート、床。吊り革は、何色ですか?

 

よく見かける吊り革は、白やオフホワイトが多いでしょうか。
全体がその色みのこともあります。
持ち手の円や三角の部分が「白・オフホワイト」でベルト部分は「グレイ」という色使いのこともあるでしょうか?
たまに「水色」も見かけます。
そして、優先席付近は「色」を変えてあり、高齢者にも見やすい「明るい暖色」になっています。
目立ちやすい「赤みの黄(オレンジと黄の間の色)」などが多いですね。

 

でも、全体には「色みのないデザイン」が圧倒的に多いですね。
「刺激が無い」「飽きない」という意味では、良いのかもしれませんが。
ちょっと味気無い感じもしませんか?

 

あなたなら、何色の吊り革だと、ハッピィな気持ちになれますか?

 

一週間ほど前、打合わせに向かうために乗った、某鉄道会社の快速電車。
新型車両だと思いますが、吊り革が「黒」。
持ち手の部分もベルトの部分も全部「黒」です。

 

真横から見ると「ずら~っ」と縦に、黒が連なって見えます
まるで、京都の「伏見稲荷大社」の朱赤の「千本鳥居」を、黒くした感じです。

 

(写真出典:「伏見稲荷大社」ウェブサイト)

 

吊り革を見て私は、なんだかすごく「緊張して」しまいました。

 

もちろん「黒」にも、ポジティブなイメージがあります。
物などに使われた場合「高級感・重厚感・強さ・粋・プロフェッショナル」などを感じさせる色です。

 

でも、デザイナーさん、ごめんなさい。
毎日、通勤電車でこの黒い吊り革を観ていたら見ていたら
私は気持ちが「とても重~く」なりそうです。

 

そう感じるのは私だけでしょうか?

 

気持ちが安定するのは「上が明るく下が暗い」配色

 

 

「あなたの周りにある色のコーディネート」にも応用できるので、一緒に考えていきましょう。

 

「黒い吊り革」で、なぜ気持ちが重くなるのでしょう?

 

身長によって異なるものの、吊り革は、だいたい、顔・頭の辺りか、それより高い位置にありますよね。
この位置に「黒」がくると「圧迫感」があるのです。

 

色には「重さ」があります。

 

「色の明るさ・暗さ」が、見た目の「軽い・重い」の印象につながっています。
実際には同じ重さの2つの物があった時には、
般的に「明るい色」は「軽く」感じられ、「暗い色」は「重く」感じられます。

 

自然の中では、上の方が「明るく」下の方が「暗い」のが普通です。
その方が「安心感・安定感」があります。
逆になると「違和感」があります。

 

それで、敢えて「安定感をくずす」「動きをつくる」意匠でない限り
部屋の中などは一般的に「床が一番暗く、壁は明るく、天井が一番明るく」なるように、ザインされています。

 

人が見ることのできる色の中で
いちばん明るい色が「白」いちばん暗い色が「黒」。
「黒」は、見た目に「最も重たく感じる色」

 

そのため、顔・頭より高い位置に「黒」があると
なんだか「違和感」があり、また、から押さえられているような感覚
を持つのです。

 

「色」は、こんな風に気づかないうちに「心」に影響しているのですよね。

 

あなただったら「何色の吊り革」につかまりたいですか?

 

通勤時の服の色は「無彩色」と「紺」が多い。

 

 

会社員を2年半前に辞めた私。
起業してからは、通勤ラッシュの時間帯を避けて外出することが多くなりました。
それで、たまに通勤ラッシュの電車に乗ると、なんだか落ち着きません

 

会社員時代は毎日、平日の通勤時間帯に電車で通っていました。
その当時は、周りの人たちの「スーツやコートの色」について
深く考えたり、感じたりすることは無かったのですが。

 

その生活から離れてみて、気づいたことがあります。

 

朝夕の通勤時間のホームが「暗い」のです。
平日の昼間の風景と、ぜんぜん違うのです。

 

ホームで電車を待っている時や、電車から降りて改札へ向かっている時。
見渡すと、色が「黒」「グレイ」「紺」ばかりになるのです。
それは、多くの人が着ているスーツやコートがその色だから。
(満員電車に乗り込んでしまうと、もはや見える色は「人の髪の毛の色」と「広告の色」ばかりになりますが・・・)

 

実は「黒」「グレイ」「紺」は「気持ちを抑制する色」なんです。

 

「黒」「グレイ」や「紺」のイメージは?

 

 

色の持つイメージには、必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。
それで「この色は良い色」「この色は悪い色」という区別はありません。

 

ただ
「この場面では、この色のプラスの側面を活かしやすい」
「この場面では、この色のマイナスの側面が出やすい」
というのはあります。

 

また
「この人は今、この色のポジティブなイメージを感じやすい」
「この人は今、この色のネガティブなイメージを受け取りやすい」
ということもあります。

 

同じ一人の人であっても、状況によって変わったりもします。

 

それでも「多くの人にとって、共通して受け取りやすい同じ印象」というのがあります。

 

「色に感じるイメージ」は、心と身体に作用します。
周囲にその色があること、その色を目にすることで、自分の心にも影響があります。

 

「白」「グレイ」「黒」は、色みを感じない色なので「無彩色(むさいしょく)」と言います。
「無彩色」は、自分の感情を抑えている時、感情を内側に秘めている時に惹かれやすい色です。

 

・「黒」の持つ一般的なイメージには「自己確立・強い意志・集中・威厳 / 抑圧・人と距離を置きたい心理」などがあります。
・「グレイ」の持つ一般的なイメージには「ニュートラル・柔軟・落ち着き・控えめ / 不安・迷い・気力が無い」などがあります。

 

また、スーツの色によく見られる「紺色」
色みのある色「有彩色(ゆうさいしょく)」ではありますが、「暗い青系の色」。
やはり「自分の感情を抑制する」
ことにつながりやすいです。

 

・「紺」の持つ一般的なイメージには「誠実・真面目・厳格・沈静 / 抑制・緊張感」などがあります。

 

仕事の場面で着用するスーツや制服の色は
自分の「感情を抑える色」なのかな、と気づきますよね。

 

仕事の場面、学びの場面で「自分を律する」「感情を抑えて、ルールを守る」ために
プラスに働く
という側面も確かにあります。
たとえば
・「お客様に対して、誠意・真面目さ」を表現できる色(紺)
・「プロであること」を伝えられる色(黒)
・「相手の話を受け入れられる」色(グレイ)
というように。
けれど、同時に「心の自由を制限する色」でもあるのです。

 

「ルールを守る」ことも必要ですが
「自由に自分を表現する」ことも必要なんですよね。

 

では「気持ちを軽く、明るく、のびやかにする」には、どうすれば良いのでしょうか?

 

オンとオフのメリハリを「色」でもつけてみましょう!

 

 

いつも、自分の感情を抑えてばかりでは
自分で気づかない内に、心の奥に「ストレス」を溜め込んでしまうことになります。

 

大人ですし、いつも「自分の欲求に任せて行動する」というわけにはいきません。
自分を律する必要がある時には「抑制」につながる色みが、サポートしてくれることもあるでしょう。

 

でも、いつも、いつも「感情」を抑えていなくても良いのです

 

自分の感情を表現できる「色」の力を借りて。
時には、思い切って「自己表現」「自己解放」してみましょう。

 

私は、通勤電車の中も、もっとカラフルで良いのでは、と思っています。
ちょっと「妄想」してみましょう!

 

例えば、吊り革の1本1本、色を変えて。
鮮やかな色がたくさんあると、気持ちが散漫になったり、落ち着かなくなったりするので。
強すぎない、優しいトーンの「虹の7色」に。
ベルトの部分は「オフホワイト」のままで「持ち手の部分だけ色をカラフルに」すれば、車内広告もジャマしません。

 

あるいは

 

・優しい気持ちになりたい人の「ピンク色ゾーン」
・無邪気になりたい人のための「黄色ゾーン」
・陽気になりたい人のための「オレンジゾーン」
・心身がお疲れの人のための「緑ゾーン」
・集中したい人のための「青ゾーン」

 

なんていう遊びがあっても良いかしら?なんて思っています。
どのゾーンが「混むかな?人気があるかな?」なんて想像したりして。

 

でも、現実に今すぐには難しいですね(笑)
では、どうしましょうか?

 

 

電車の中が「暗い色」だとしても。
あなた自身が「明るい色」「楽しい色」「惹かれる色」を身に着けて、身近に置いて。
感情を開けば良いのです。

 

会社に着いたら、服に「派手な色」は NG かもしれません。
でも、通勤途中なら色で遊べます。
「ストール」「手袋」「バック」
営業の方は難しいかもしれませんが、それ以外の方は、会社では脱げる「コート」だって。
ちなみに、私のコートは「マゼンタ(赤紫)色」です。

 

ただし、満員電車の中で「鮮やかな赤」を大きな分量で取り入れると
「怒り」の感情につながるかもしれません。
それは要注意!

 

もっと手軽な方法なら「ハンカチ」
自分のデスクで使う「文房具」など、小さな物をカラフルにしても良いですよね。

 

また、仕事の日はどうしても「地味な色」を着る必要がある方は
プライベートタイムに「本当に自分が心地いい色・好きな色」を取り入れてはどうでしょう?
オンとオフのメリハリを、ぜひ「色」でもつけてみてください。

 

各色の詳しいイメージはこちらのコラムの中に書いてあります。ぜひご参考に!

 

 

毎日「目にする色」は、私たちが思っている以上に、私たちの心に影響を及ぼしています
いつも感情を抑えている人は、ぜひ「色」で、少しずつでも自分を表現してください。
もっと、もっと「色」を楽しんでくださいね。

 

色のチカラを味方につけて。今日も素敵な一日を!

 

< 色には、必ず、ポジティブな側面、ネガティブな側面があります。また、色彩とどのようにつきあってきたか、個人的な経験によって、同じ色にも多様な意味があります。「良い色」「悪い色」というのは、ありません。>

 

(写真引用:「伏見稲荷大社」ウェブサイト / タイトル写真に使用したぬり絵柄:© T.Suenaga, HEART & COLOR CO.,LTD. 2001-2012 / 文中に使用したぬり絵柄:© T.Suenaga, HEART & COLOR CO.,LTD. 2001 / 参考文献 : 『心を元気にする色彩セラピー』末永蒼生著 PHP研究所、『色彩心理のすべてがわかる本』山脇惠子著 ナツメ社、『なりたい自分になるための「色」の掟。』高坂美紀著 講談社、『使える!色彩学』ビジネスカラー研究会編著 洋泉社、『色彩検定公式テキスト3級編』内閣府認定 公益社団法人色彩検定協会監修)

 

佑貴つばさ(ゆうきつばさ)
「色とココロのコンシェルジュ」色彩心理カウンセラー

 

HPに使用しているぬり絵図柄 : © T.Suenaga, HEART & COLOR CO.,LTD

 

Les Ailes de Ma Couleur(レゼル・ド・マクルール)~私色の翼~

 

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